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2023.09.22 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

岡谷地南部神楽「叢雲」@2023登米神社秋季例大祭

さて本日は、2023年9月17日に行なわれた登米神社秋季例大祭から岡谷地南部神楽で叢雲です。

演目名を叢雲と称しているのは法印神楽由来を残しているためで、一般的な南部神楽では大蛇退治あるいは大蛇切りなどと呼んでいます。

出雲国簸の川の上流で、毎年大蛇に人身御供を差し出さねばならず、今年の順番となった手名椎足名椎が娘の櫛名田姫を連れて出て、事の次第を述べ、誰か娘を助ける神は無きかよのうと嘆きます。



そこへ高天原を追われて放浪の旅の途中で訪れた素戔嗚尊が櫛名田姫を救おうと大蛇退治に応じる

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八岐大蛇です。
両手で竹を持って赤い布を頭上に被っています。上沼や浅部の法印神楽でも見られる形式です。

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八岐大蛇です。
両手で竹を持って赤い布を頭上に被っています。上沼や浅部の法印神楽でも見られる形式です。

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素戔嗚尊が八岐大蛇にとどめを刺す

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面とシャグマを奪い取り勝利を宣言する踏み足の所作、これも法印神楽由来の所作です。

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素戔嗚尊の凱歌を歌って最後は千代の御神楽で舞い納めます。

 〽 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を  

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2023.09.22 |

2023.09.21 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

岡谷地南部神楽「笹割」@2023登米神社秋季例大祭

さて本日は、2023年9月17日に行なわれた登米神社秋季例大祭から岡谷地南部神楽で笹割です。

近年では南部神楽での笹割の上演は数少なくなってきておりますが、早池峰系神楽では笹分けあるいは笹割り舞として、四人で舞う祈祷舞となっています。
「早池峰神楽鑑賞ガイド」によればこの舞は湯立の神事に由来する舞であり 、大釜に笹の葉を浸して周りに掛け、災難や病魔を退散させるという祈祷舞だという。
また、その神々は、家宅六神という地所・屋敷の守護神で、もとは新築や建替えなどの修祓に舞われたもので、笹を持って、激しく四方鎮めを行い、剣を取って悪神悪鬼を払う祈祷舞である。

一関の下黒沢神楽では四人が面を付けて舞うサンヤ舞となっていて扇と刀での舞となっている、
それが栗原方面に流布し、登米地方にも伝播したものと推量されます。

岡谷地南部神楽の笹割も同様の意義があり、祈祷舞であることから式三番に加えられたものと思う。

幕出しは 〽 サンヤー笹割はナー 笹割舞ナーセンヤー

白采に白面を付けて二人の舞手が出て大きく跳躍しつつ一舞する



次に舞手が面を外して装束を整える間に胴取の渡辺駿が撥車を披露しました。魅せるね。

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後半のくずし舞は扇を持っての早調子の舞です。

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次に刀を持っての悪魔退散の祈祷舞、最後は四方を巡って舞納めます。

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2023.09.21 |

2023.09.20 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

岡谷地南部神楽「三番叟」@2023登米神社秋季例大祭

さて本日は、2023年9月17日に行なわれた登米神社秋季例大祭から岡谷地南部神楽で三番叟です。

岡谷地南部神楽で式三番としている演目の二番目です。

幕出しでは幣束を差し出して歌が掛かります

〽 吉が野に 吉が野に 今に日は照るとも 日は輝るとも 常に流るる 鳴る瀧の水
  鶴殿や亀殿が玉つれて 今日は第39回志波姫神楽鑑賞会の社前において 幸い心と舞い遊ぶ





南部神楽の三番叟は、山伏神楽のものを基底にして、口伝で変節を加えながら広く伝播したものです。
ですので、伝承基点の所作詞章が順次変えながらも今日に伝えられたものです。

岡谷地南部神楽での三番叟の本地を語る場面では、胴取との掛け合いが特徴的です。

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いろいろと変化に富むのが南部神楽の楽しみです。

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2023.09.20 |

2023.09.19 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

岡谷地南部神楽「翁舞」@2023登米神社秋季例大祭

さて本日からは、2023年9月17日の登米神社秋季例大祭から岡谷地南部神楽の奉納神楽についてのリポートです。

登米神社の伝承によると、源義経が幼少時に奥州平泉に滞在していた際、度々当社に参拝に訪れ源氏再興の祈願を行ったとされ、見事念願成就すると「武蔵坊弁慶の書」を奉納したと伝えられてます。
社殿は相当古い感じがしましたが、享保7年(1722)に寺池道場山麓から移築したとあるが正にそんな雰囲気があります。



そういった登米の鎮守に神楽を奉納したのは岡谷地南部神楽です。

その前に岡谷地南部神楽の由来について

「明治三二年、工藤清右エ門(東和町嵯峨立から養子に来た人)が庭元兼師匠となり、修験道加田羽流剣舞神楽を部落の若者達に指導し、岡谷地南部神楽を創設した。
初代庭元工藤清右エ門、現在の庭元高橋安治は六代目である。」とありますが、現在の代表は佐久田和尋さんです。

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この日の神楽演目は、翁舞、三番叟、笹割、叢雲、八幡舞の五番。
岡谷地南部神楽では、翁舞、三番叟、笹割を式三番の舞としているということです。

そして、神楽の始まりには必ず幣束を差し出して幕出しの歌をかけるという山伏神楽由来の形式をしっかりと継承している。

翁舞の歌は
〽 センヤーハー 武甕槌の神ナー 高天原にて舞遊ぶ 

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舞の内容は山伏神楽の翁舞を踏襲しているようです。所作は南部神楽としてのものになっていますが、舞の最初の胴取の歌に特徴があります。

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翁舞の詞章は

〽 さて 天竺の末代 とはの池の亀 甲羅に千歳さんとのおくの玉を頂いて 万刧をふるとかや
   木はかえりて茅となり 茅はかえりて老いらくとなす
   皆は踊らんとかの光つつ

  胴取これを受けて 〽 エーさらさらと吹くは松風 吹くは松風 オモシロヤー

舞の最後は御神楽にて四方を舞納めます

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2023.09.19 |

2023.09.18 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ祭り

登米の秋まつり「神輿発輿と山車行列」@2023登米八幡神社秋季例大祭

さて本日は、2023年9月17日に宮城県登米市登米町内にて行なわれた登米神社秋季例大祭のリポートとなります。

登米神社の由来については宮城県神社庁HPより
「八幡宮は、天喜年中鎮守府将軍、源頼義が、賊徒征伐の時、鏃(ヤジリ)を神体として、戦勝を祈願した辺室山の浄地に、康平5年(1064年)頼義の嫡子、義家が山城国鳩峰に鎮座せる岩清水八幡宮を勧請分遷したもので、後世その地を八幡崎と呼んだ。文化5年(1189年)藤原泰衡没落後、葛西三郎清重が、この地方を領有するにあたり、八幡宮を七郡の総鎮守葛西家累代の守護神として尊崇した。天正18年(1590年)葛西家散亡の運命となり、慶長6年(1604年)仙台藩の伊達相模守宗直が、本領主として移城するに及び同11年八幡宮を八幡崎から寺池道場山麓に遷座した。更に享保7年(1722年)6代伊達村水が社殿を現在の山上に移築し、歴代領主の守護神として尊崇し、引き継がれた。明治6年(1873年)当地に水澤県庁があった時、八幡宮とその傍に鎮座せる住民の深く信仰する稲荷神社を合祀して「県社登米神社」と称し、昭和27年「宗教法人登米神社」と改められた。毎年9月の第3土曜、日曜を祭日とし、町内には数多くの山車、練物などもあり、近郷希に見る祭礼である。」
ということです。

登米地方は北上川舟運で栄えた城下町であり、八幡宮である登米神社の秋の祭りは八月十四日から七日間も行われていたという、現在では9月の第三土日に改められている。
神輿渡御の行列には、山車屋台に武者行列などが加わり長い行列となって町中を練り歩く。
屋台の飾りは仙台東照宮の祭りを模したものといい、旧時は木遣り音頭で人手で担いでいたが、現在は台車に載せて引き綱で曳き回す。

山車の囃子は「とよま囃子」といわれ七曲が受け継がれている。
「流し(道中囃子)、虎囃子、あいや、はねこ(帰り囃子)、拳囃子、楽、儀兵衛囃子」がそれぞれの場面で囃される。

尚、千葉雄市氏によれば、藩政期の祭りは十四日の宵宮には神輿供奉の者たちが参籠し、献膳式、湯花などの神事と神楽会があり、十五日の本祭りには神輿巡幸の他に北上川で放生会と神輿洗い、十六日には大的射術、十七日には下町で流鏑馬の神事が行われていたという。 (以上 「祭礼行事宮城県」おうふう社刊)

さて、登米神社鳥居前での発輿式を終えて出発ですが、なにしろここの祭りもコロナ禍で4年ぶり。
ということで、宮司さんも「太鼓の台は誰が持ってくの?弓矢は誰が持つの?車に載せるの?」とテンテコまいの様相でした。



神輿が神社下の坂道を下ると登米囃子保存会のみなさんが木遣り音頭で出迎え、そして出発式

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神輿行列に続いて登米山車が順次出発

この日の先頭はこっから会の「マインクラフト」 アニメキャラクターを題材にすることが多いですが、今年はゲームキャラで子どもたちもノリノリ。

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鉄山町内会は西遊記の孫悟空

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見返しは三蔵法師と猪八戒

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中町町内会は風流連獅子

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見返しは「???」一休僧正?

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九日町町内会は歌舞伎の勧進帳より弁慶の飛び六方

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見返しは関守の富樫左衛門泰家の見送り

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鉄砲町町内会は薪能より風流船弁慶

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見返しは静御前でしょうか

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以上飾り山車の祭りが少ない宮城県の祭りで貴重な登米の山車祭りでした。

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2023.09.18 |

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祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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