2014.09.05 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

蕨折り 大乗神楽と南部神楽と

先日の日曜日に江釣子公民館において大乗神楽の特別公演があり鑑賞しに行きました。

この日は大乗神楽勉強会と銘打って、日頃上演されなかったり、上演する機会がなくしばらく舞われていなかった道化演目を取り上げて神楽団体が特別に上演したものです。

その中から以前にも紹介した和賀大乗神楽さんの道化演目「蕨折り」について



話の大筋は、春先に親孝行をしようと娘が奥山に蕨を取りに行った帰り、雪解け水で増水した川を渡ることができず途方にくれた。そこへ瀬渡しの年老いた船頭を見つけ川を渡したら望みを聞くと言ったので、船頭は娘に我が妻となれと言った。
そこで娘は一計を案じて三日三晩の親孝行の暇を願い出た。それを許した船頭だが娘がなかなか帰らなかったため通りがかりの山立に娘の行方を尋ねた所、娘は既に金持ちのもとへ嫁いでいると嘘を言った。その嘘がばれて船頭の怨霊が山立を襲うという始末の一部始終。

上臈です

DSC07883.jpg

船頭と山立の問答部分が道化仕立てになっています。

DSC07901.jpg

ここで比較するため、東磐井郡大東町の曾慶代々神楽に伝わる神楽本から「税王」のセリフを書き出してみます。


「廿五巻 税王船頭」

女 駒が里 さづま畑に着きにけり 船あれども船頭なし 
  船頭あれども船なし 只々しんじしんじ立つにけり

税王 今朝の嵐はばっこう激しうそう舟場のほとりをながめんと存じ候
女 彼の税王殿に尋ねたき事に候哉の
税王 それは何事にて候哉の
女 この川を 一竿差越し給えやの
税王 そもそもこの川と申するは、広きも八万余丈深きも八万余丈なり。
   しかるにこの船と申せしは、登らせ船にも候はす、下し船にも候はず。
   いそういそうの船にて候。然るに見目麗しき女郎の御姿舟場のくつびに尋   常に無明のたなびき末代の折よく、姫の相菊かんそうは藤の外、若き時は   船も越し、花の筏も組んで乗り候すみる税王なれ共今は肩腰もすほろして   船越す事は叶うまじ、よその年若き型を頼み給えやのう。
女 應、よその年若き方と申せ共、自らも両方の親を持ち、親の願いを満がため  四方の山に巻き出でわらびを折りに来たり候、この川を一竿差越し給ふなら  、税王殿の御召しなされたる麻の衣のあかを濯ぎます。またひとときの御意  にも従うべきにて候。
税王 應、実にも案じ廻せば面白や。然らば船の中に入らせ給えやのう
税王 ああら難なく船も岸に着き給ふ、向こうに見ゆるは税王が屋形なり。これ   よりしんじしんじと入らせ給えやのう
女 彼の税王殿に願いたき事にて候やのう
税王 それは何事にて候哉の
女 三日三夜の暇を許し給えやのう
税王 美人を持ったる上は、三日三夜は一日一夜も叶うまじ
女 それなら一日一夜の暇を賜ひ給うやのう
税王 相違なら一日一夜の暇を許し給う。返りには税王が屋形にすんぐすんぐと入らせ給えやのう
女 應、折れ共折れ共 手にがたまらぬこのかぎ蕨
税王 この先にて見目好き女郎のあわぬかよもし、合わせ見てなら教え給えやのう」

と、つまり全く同じ内容です。

いつの時代に伝承をしたのかは不明ですが、もともとこの蕨折は秋田の番楽にもある演目で、山伏神楽経由で東磐井地方に取り入れられたと考えますがどうでしょうか。


DSC07911.jpg

動画でどうぞ。



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2014.09.05 |

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