2013.10.10 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

牡鹿神楽古実会 五矢@石巻神楽大会


本日は、第36回石巻桃生牡鹿地方神楽大会から牡鹿法印神楽古実会さんの五矢についてです。

その前に、牡鹿法印神楽古実会さんの由来について宮城県の民俗芸能1より

「石巻地域(旧牡鹿郡)には旧藩時代、牡鹿十ヶ院と称する修験院があり、南境の正浄院、大瓜の常善院、高木の光妙院、水沼の文殊院、真野には観殊院と喜明院、沼津に宝性院と賢龍院、根岸の開明院、渡波の常楽院であった。
これらの法印たちが相集って各祭礼に際して祭式のあと法印神楽を演舞してきたもので、大正元年に当時稲井村根岸の周明院の津田主税法印によって記された文献によると、この法印神楽は元和3(1617)年あたり、或いは正徳5(1715)年から再興されたものとあるが、その確認はできない。
文化文政のころに最も隆盛を極めたのち、明治維新の神仏分離令によって中断したが、明治12年8月に各院によって牡鹿古実会が結成されて法印神楽が再興されたという。
本山安次博土が昭和4年に石巻中学に赴任された翌年の昭和5年は石巻牧山の鷲峰山長禅寺中興の祖片桐栄洋法印250年遠忌に当たり33日間も大祭が続けられ神楽が行われたらしいので、本田氏はこれらと親しく接し感銘を受けられていたと思われ、『陸前浜本」を編まれる基となった。
明治12年の神楽再興は牧山の零羊崎神社宮司の桜谷可守師と根岸周明院の津田雄記法印等とで実を挙げられた縁もあったか、それ以来この神楽は牧山の宮司によって代々主導されていたようであるが、大正元年のころは現石巻市内域となった、沼津から2、真野2、渡波1、根岸1、水沼1、闘木1、大瓜1、南境1の10人の法印たち(本山派が多いという)によって伝承されていた。
昭和50年ころは会員が15名ほどいたが、現在は沼津から6人、渡波から1人、そして桜谷会長と8人となった。戦後生れは2人であるので後継者不足は否めない。石巻市湊小学校や沼津小学校等で履修を行い、大分上達したと聞いていたが、青年たちの後継者養成が急を要す。
舞台の大乗飾りを復興させ得る指導者も居り、四節の「きりこ」も作成できる。仮面、装束等も秀れたものが揃っている。
零羊崎神社境内には常時、法印神楽用の仮設舞台が設らえてあった。石巻市で行われる文化祭や神楽大会等には毎年出演している。
昭和46年に東北映画社により牡鹿法印神楽によって「白露」と「魔王」が8ミリ映画に記録されている。」

とのことで宮城県指定無形民俗文化財及び文化庁の記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財として選択されている。

現代表は櫻谷鎮雄さんです。

さて、演目の五矢ですが、昨日のブログで書いた「鬼門」と対をなすものです。

素戔嗚尊と蘇民将来の説話です。
素戔嗚尊が高天原を追われて諸国を放浪するうちに裕福な巨旦の家をみつけ一夜の宿を乞うが断られ、その弟で貧しい蘇民将来の家を尋ねたら温かく迎え入れた。
蘇民将来は、素戔嗚尊からお礼に疫病を防ぐために「蘇民将来子孫門戸」と書いて門に掲げたため、五穀に恵まれやがて裕福になったということである。
その後に素戔嗚尊は万民が悪魔疫病に悩まされるのを見て、五行の矢で射て難を防いだということです。

雄勝町では正月行事の春祈祷で「蘇民将来子孫門戸」のお札が配られ、一年間戸口に貼り付けておくという風習が残っている。


最初に素戔嗚尊が開扇と鉾を持って舞い込みます。
神諷「再拝再拝掛け巻くも 我が国初めて後 二柱の御神国津主を生まんとて 一女三男を生み給う
三男の牛頭天王とは我が事なり」



次に素戔嗚尊の下臣である今貞が開扇と弓矢を持って舞い込みます。
今貞の足踏みは非常に複雑です。

神諷は、蘇民将来の物語を滔々と述べます。

DSC09015.jpg

それを受けて素戔嗚尊が矢を射て祓います。

「應 この所に来たるまじき者は鬼神 魔王飢渇の難 疫癘の難 自らが矢一つにて射祓いたり」

DSC09056.jpg

そして今貞が「我君 御弓の疲れもござすらん 神酒一つ勧めばや」
と酒を献じます。

酒盛りの趣向として歌が歌われます

素戔嗚尊「千早振る 石の鳥居に注連張りて 向こう矢先に悪魔来たらず」
今貞「この弓矢 なにその弓矢と人問わば 悪魔を祓う桑の弓と矢」

ところで、この時神楽組の方がめでたい神酒を観客に振舞っていました。お祭り気分ですね。

DSC09067.jpg

そして、素戔嗚尊と今貞の御神楽となります。
素戔嗚尊は両手に鉾、今貞は両手に開扇で合舞となります。古風です。

DSC09075.jpg

動画でどうぞ。


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2013.10.10 |

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