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2023.05.16 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

遠野八幡神楽「権現舞」@2023遠野八幡宮出雲大神祭

さて本日は、2023年5月5日に行なわれた遠野八幡宮出雲大神祭から遠野八幡神楽で権現舞です。

こちらの権現舞には由緒があり、遠野物語に記述されているので掲載します。

『遠野物語 第110話』

「ゴンゲサマといふは、
神楽舞の組ごとに一つづつ備はれる木彫の像にして、
獅子頭とよく似て少しく異なれり。
はなはだ御利生のあるものなり。



新張の八幡社の神楽組のゴンゲサマと、
土淵村字五日市の神楽組ゴンゲサマと、
かつて途中にて争ひをなせしことあり。

20230505115142IMG_5216.jpg

新張のゴンゲサマ負けて片耳を失ひたりとて今もなし。
毎年村々を舞ひてあるくゆゑ、これを見知らぬ者なし。
ゴンゲサマの霊験はことに火伏せにあり。

20230505115212IMG_5217.jpg

右の八幡の神楽組かつて附馬牛村に行きて日暮れ宿を取りかねしに、
ある貧しき者の家にて快くこれを泊めて、
五升桝を伏せてその上にゴンゲサマを据ゑ置き、人々は臥したりしに、
夜中にがつがつと物を噛む音のするに驚きて起きて見れば、
軒端に火の燃え付きてありしを、
桝の上なるゴンゲサマ飛び上がり飛び上がりして火を喰ひ消してありしなりと。
子供の頭を病む者など、よくゴンゲサマを頼み、その病を噛みてもらふことあり。」と。

八幡神楽のゴンゲン舞にだけ遠野物語110話のごとく、赤布を炎に見立て火を喰い消す所作があり、特に火伏せの御利益があると伝わる。

赤い布を口で噛み、火伏せの祈祷をしています。

20230505115524IMG_5223.jpg

最後に参拝者の皆さんに身固めをしました。

ということで、神楽奉納が終わると八幡宮の境内の馬場ではこども流鏑馬が始まります。

が、私はこの後は遠野ふるさと村へと直行です。その続きは明日のブログにて。

20230505115722IMG_5226.jpg

動画でどうぞ


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テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2023.05.16 |

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祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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