猿沢峠山伏神楽「下舞・権現舞」@2023第23回いわい地方民俗芸能祭
さて本日は、2023年3月26日に行なわれた第23回いわい地方民俗芸能祭から猿沢峠山伏神楽で下舞・権現舞です。
峠山伏神楽は正式名称を早池峰系大償野口斎部流猿沢峠山伏神楽といいます。
その名のとおり大償の別系である野口伝斎部流です。
「天保年間に飢饉がもとで早池峰の大償神楽の神楽師が一時東和町東晴山の横川家に身を寄せて、神楽を伝授した。
その当時、猿沢では峠金山が隆盛を極めていたが、若者の風紀が乱れたためそれをただすために若者たちに神楽をやらせようと、村上友十郎・新山久之助・菅原吉之助が米味噌を背負って東晴山の横川瀬平氏に12回教えを受けに通って習得した。
しかし、終戦後には廃絶寸前まで廃れたが昭和31年に地元の神楽研究家である村上護郎先生が大償から佐々木直見、藤原貞治の両氏を招いて2週間の稽古をしなおして、稽古開きには大償神楽、東晴山神楽、峠山伏神楽の三団体でもって猿沢公民館で舞い合わせ大会を開いた。」(出典:大東町の民俗芸能、民俗芸能ノート第1号)
とあります。
現在の神楽保存会代表は、村上義晴さんです。
峠山伏神楽では神楽上演に先立って山伏姿で法螺貝を鳴らし、これより神聖な神楽を始めることを報せる。
先ずは下舞から。
峠山伏神楽の保持演目を「大東町の民俗芸能」から引用します
・鳥舞 ・翁舞 ・三番叟 ・四弓 ・榊舞 ・岩戸開きの舞 ・稲田姫の舞 ・松迎えの舞 ・曽我の舞 ・三神の舞
・五大竜王の舞 ・鐘巻舞 ・機織りの舞 ・天女舞 ・わらび折り舞 ・汐汲舞 ・橋掛の舞 ・年寿舞 ・おだまき舞
・五穀舞 ・天王の舞 ・水神舞 ・尊揃いの舞 ・天降りの舞 ・悪魔退治の舞 ・御新家の舞 ・三韓の舞
・鞍馬の舞 ・木曽合戦の舞 ・屋島合戦の舞 ・風章の舞 ・竜伝の舞 ・手劔の舞 ・爪切り舞 ・笹分け舞
・大〆切舞 下舞 権現舞
となっていますが、現在はこのうち10演目ほどが継承されています。
下舞は菅原保さんです。
猿沢峠山伏神楽といえば、やはり地元の猿沢神社秋季例大祭での奉納と神輿渡御に供奉しての奉納が一番印象に残ります。
祭りの様子はこちら⇒峠山伏神楽 猿沢神社例祭
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