湯本田植え踊り
本日は湯本田植え踊りについて
稗貫地方の田植踊は見前田植の流れということだが、和賀地方にも近いということもあって、春田打ちの要素も多分に入っている。
石鳥谷のものもそうだが、洒脱な座敷芸にと洗練されている。
囃子方は太鼓に笛と鳴輪である。
湯本田植え踊りについて、本田安次著「田楽・風流 一」の中に書き記してあるので抜粋する。
花巻温泉の田植踊である。今は浴客の所望によっても演ずるが、もとは旧正月14日の晩に笠揃いをし、15日より付近の家々を予祝して廻った。そうして旧2月の頃まで踊り、その後かさこしになる。
ここの田植踊は2つのものが混じっているらしい。すなわち、、すぐ近くの湯口村でも演じているのと同流のものが古くからあったと思われるが、これに「春田打」と呼ばれる比較的新しい一流が取り入れられ、むしろこちらの方が主になっているように思われる。口上が2つあるのはそのためであろう。
明治25年に高橋政蔵と言う人の書いた「春田打記載帳」というものを一読したが、これによるとやはり先のと同様の仕組みを持った田植踊の一流であった。
ただ、詞章は比較的新しいらしい。何となれば、古風な歌はなく、ウタエと称してそれにとって代わる目出度い言葉を連ねたものが歌われているからである。
とある。
子供手踊、笠踊り、城洗いは昔流儀の踊りと言われている。
手踊は両手にこきりこを取って踊る。

これは笠踊りと思われ、本来は山屋のように大振りの笠を被っておどったことと思われるが、子どもたちなので小さな傘である。
また、一八役が共に出て道化の踊りをする。

春田打ちの部分である。
稲刈り前の鎌を研ぐ歌が喜びに溢れていて賑やかだ。
「湯本へ帰ってゆっくり休んでくれろやぃ」 ご苦労様でした。

囃子も豊富で、神楽囃子、けん囃子、かごまる、にたない囃子、しん囃子、二本竹、二編返し、馬鹿囃子等があるという。(二本竹というと角館の囃子を思い出すが)
なんと、踊りの途中で太鼓が撥車を叩きだしたのには驚いた。芸達者である。

動画でどうぞ。
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