幸田神楽「八幡舞」@2022八雲神社例大祭宵宮
さて本日は、2022年7月13日に行なわれた八雲神社例大祭宵宮から幸田神楽で八幡舞です。
その前に幸田神楽についてもう一つ「早池峰神楽の継承と伝播」(中嶋奈津子 平成25)より
「祇園牛頭天王を祀った場所には現在泉三郎の霊碑があり、神楽場と呼ばれる場所も残されている。由来を示す古記録は残されていないが、現在伝わる神楽は、天保年間(一八三〇~四四)に岳神楽を学び開始したと神楽衆
に伝えられている。安政二年(1855)生まれの宍戸長右ェ門銘の「神楽言い立て本」と、文久三年(1863)の銘のある獅子頭の権現が保存されている。時期は特定できないが、早い時期に親である岳神楽との師弟関係は薄れている。
神楽は幸田の八軒の家で開始し継承しており、現在はさらなる神楽衆を加えて十三名で活動している。八雲神社例祭の奉納神楽を定例とするほか、矢沢地区を中心に各集落の神社の例祭日にも奉納神楽をおこなっている。
またこれらの地域には八雲神社の講中が存在し、幸田神楽が招かれて門付けや幕神楽をおこなっている。」
と、あるように幸田神楽には講中が招請する廻り神楽がある。今で言う地域ぐるみの後援会のようなものであるが、信仰を伴っているのでやはり神楽講の紐帯なのである。現在も残っているのは非常に貴重と言えます。
さて八幡舞
悪魔祓いの二神の舞ですが、幕出し無しに舞い出でます。
ひとしきりネリ舞があったのち言い立てになります
〽 さらさらと 天降ります 八幡(やわた)神 和合の利益 いや増しにけり さんや面白し
八幡の由来を 詳しく尋のるに 応神天皇の宇佐の神社なるをもって 八幡大神とは 自らがこと
舞手が弓に矢をつがえると舞手と胴前の歌がかかります
〽 八幡大神弓矢をつがえ
四方矢先に 悪魔射落とす 悪魔射落とす
ところで、このへんの言い立ては、南部神楽の方にも同様に伝わっていますので、参考までに市野々神楽のものを掲載してみます。
さらさらと降り給う権者あやにまし さんや あやにまし
色よきかぎり高麗の権者面白し、八幡大神宮の御本地をくわしう説き尋ね奉る。さんや奉る。
父をば仲哀天皇と申し奉る。
母をば神功皇后と申し、御妻となって持たせ結うこの子をば応仁天皇八幡太神と申すなり。
他の国より他の人 我が国より我が人 恵み合せる神徳のほどこそ有がたし。
信ずべし権ずべし 代々武将守りの神
弓矢取っては氏の神
我こそ八幡大神なり
〽 八幡太神 弓を上手に射てこそ上手 射てこそ上手 ようほう
八幡太神居垣の内に弓をはり 四方矢先で悪魔射殺し
という具合です。
動画でどうぞ
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