大償神楽「天照五穀」@2022第39回みちのく神楽大会
さて本日は、2022年7月3日に行なわれた第39回みちのく神楽大会から大償神楽で天照五穀です。
大償神楽は同じく早池峰山麓に伝承される岳神楽とともに国指定重要無形文化財及びユネスコ無形文化遺産に指定されている
岩手の山伏神楽の根源のひとつとも言える神楽です。
伝承によれば「建久二年(1191)甲斐国南部の庄から奥州南部へ入部の時、内堀四郎兵衛御伴して当国に至り、甲斐国身延にあった権現様を移して内堀土民の間に安置したが、その内堀四郎兵衛から習得したのが大償神楽である」とあります。
また「 早池峰開山の祖といわれる田中兵部が建立した田中明神の神主より大償の別当家へ伝えられたもの」ともいわれているということです。
現在の神楽保存会長は阿部輝雄さんです。
五穀舞には男五穀と女五穀がある。
男五穀は最初に天熊人が出て荒舞を舞い、女五穀は天照大神が出て優雅に舞う。
両者ともに五穀の種を得て千代の御神楽となるわけですが、静と動の対照的な演出だと思います。
天照五穀は、その静のパートから入るわけで、素晴らしい女舞の表現に観客も魅了される。
ちなみにこの日の天照大神は女性の舞手でした、感心しました。
〽 天照す で幕出しになり、千早の左袖に両腕を入れて一文字に横に張ったまま四方切りをする。
袖で顔がよく見えない風になっているが、風姿花伝の「秘すれば花」といった雰囲気で、神秘的な舞である。
ところで天照の舞手は神楽王子と見受けた。
初舞台は小学校1年生7歳の時の三番叟で、小さい頃から大伯父の佐々木隆(前会長)の影響を受けて育ったという。
扇や素手の舞で四方切りをした後、幕に向かって立つと、幕から天熊人が出て、天照から保食神の様子を見てこいと命を請ける。
〽センヤー 五種の で、保食神、天熊人、月読神が出て五穀の由来の舎文がかかる
以来、豊葦原瑞穂の国では五穀が連綿として豊穣なれることを寿ぎ、千代の御神楽で舞納めます。
クズシ舞の神歌から
〽 五種のたなつものまで供えつつ 清かなりと納受したまへ
幕入りでは大喝采でした。
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