槻沢念仏鎧剣舞
本日は11月23日に大船渡市で開催された「気仙郷土芸能まつり」から槻沢念仏鎧剣舞について。
由来については当日のプログラムから
槻沢剣舞は江戸時代の1795年(寛政7年)地区の守り神として不動明王尊像を奉納した際に演じた平泉系念仏剣舞が始まりだと記録に残っていますが、この剣舞は途絶え、現在の踊りは明治の中頃、地区の有志が住田町上有住の中埣剣舞(なかそね)を習い覚え、以来約120年、衣装に鎧をまとった武士スタイルの念仏剣舞として踊り継いできたものです。
とあります。

黒尉面のササラは赤い陣羽織を着るが裾の模様が大きく波に兎が描かれていて、背には猿子を背負っている。
ここのササラは二本の棒ササラを用いている。

伝播経路としてはやはり平泉の高舘踊りの流れを継いで沿岸部に伝わったものと思うが、鬼面については、おとといのブログで書いた住田町の大平梅ノ木のものよりもむしろ胆沢和賀地方のものに似ている。

ササラ以外の踊り子は布製の鎧を着て、腰にシカ(大口)を下げる。シカには唐獅子牡丹が描かれ、刀を通す孔があけられている。

念仏踊りが終わって一旦退場したのち、巻太刀踊りになる。扇と太刀をもって二人一組になって斬り合いをする。
最後はササラと白面が残って悪鬼折伏の立ち回りを行い、最後にササラ(弁慶)がすべて成仏させて引き込む。

私的にはこの踊り手が全て幕入りした後の胴取り(囃子)が哀愁というか無常感があって心惹かれるものがある。
太鼓と笛と歌の間合いの取り方も海原の彼方にいる諸霊の鎮魂を願っているようで感情移入する場面でもある。
動画でどうぞ。
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