大出早池峰神楽「権現舞」@2021大出早池峰神社大祭宵宮
さて本日は、2021年7月17日に行なわれた大出早池峰神社大祭宵宮から大出早池峰神楽で権現舞です。
大出早池峰神楽は、「遠野妙泉寺由緒」「奥州南部早池峰山縁起」などによると、「早池峰大権現の誕生は平城天皇の御宇大同元年(806)三月八日なり。当時閉伊郡来内村に藤蔵という者あり」 その藤蔵が狩りの最中に早池峰山中で十一面観音を感得したことから里に新宮を設けて崇拝し神楽を奏したことに始まるという。
その後、藤蔵の後胤が始閣姓を名乗る。
斉衡年中(852~856)に慈覚大師円仁がこの地に巡錫し、新参宮の別当寺として妙泉寺を創立し、それに付随した神楽を修したという。
もっともその神楽は絶えて、時代の変遷の中で早池峰神楽との相互扶助の時代を経て現在の神楽に至る。
権現舞 下舞も早池峰神楽とは少し趣が異なり、扇などの指し手にも祈祷性がより濃く感じられます
観ていて感じたのですが、下舞の最中に神唄がかかる部分では神楽連中の皆さんが胴前の後ろに列座して、一同唱和しているのが印象的でした。皆さんが直向きに神楽を修する気持ちが伝わりました
さて再び妙泉寺の神楽は、山裾の幾つかの登山口の集落にも伝わり、栄枯盛衰の中で互いに扶助しながら継承をつないできた。
時には岳神楽衰退時にはその代役を務めることもあるなどの往来もあったようである。それ故に濫觴の大出早池峰神楽とは異なる演目もこの時期に取り入れられていた可能性もある。
別当役による供物
〽 御祈祷に 千代の御神楽舞いらする
この後は胎内くぐりをして祈祷納めとなりますが、最後に権現様を二人で戴く儀礼はここだけのものと思います。
以上で大出早池峰神社の宵宮祭は終わりますが、次の日には例年より縮小した祭が行われたようです。
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