上宮守神楽「権現舞」@2021遠野南部神社郷土芸能共演会
さて本日は、2021年5月4日に行なわれた遠野南部神社郷土芸能共演会から上宮守神楽で権現舞です。
遠野の神楽は大出早池峰神楽系統の神人派と、里に道場を開いた羽黒派山伏達によって伝承された山伏派、それに岳・大償の系流が混然となっている。
その中で、山伏神楽について類家英一郎編集「遠野の郷土芸能」にはこう説いてある。
「山伏神楽が明治以前よりなされていたものには、一応、附馬牛の意楽院が伝えた和野神楽、今は断絶した宥永宝明院の神楽(山本家の先祖)、遠野の御蒼前神楽、良厳院の八幡神楽などであろう」
ということなそうです。
このうち遠野の御蒼前神楽とは修験者の龍宝院が伝えたもので、後に明治の修験廃止令以降は八幡神楽に継がれていくことになる。
それ故に早池峰神楽の権現舞とは多少趣が異なっている。
下舞です
続いて権現様を出す場面ですが、別当役が扇を採って権現様に祈祷するのが特徴的ですね
これは権現頭を被って舞うことに際して霊験を注ぎ込むことの象徴的な儀礼と見えなくもないです。
むしろ、この方が只の木彫の権現頭から神に変わることの説明として理解しやすい作法といえるかもしれません。
これも古い時代の信仰と見て取れます。
権現様に扇を噛ませるのですが、蘇生の儀礼といえます。
この後、集まった観客の皆さんに嬰児です。
最後は塩で四方を祓い清めて舞納めます。
動画でどうぞ
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