瀬台野神楽「御神楽」@2021平泉・奥州・金ケ崎 福興舞
さて本日は、2021年2月21日に奥州市水沢横町のメイプル西館で行なわれた平泉・奥州・金ケ崎福興舞から瀬台野神楽で御神楽です。
その前に瀬台野神楽の由来について定本より
「元禄一二年(一六九九)羽黒山より免許を得て、修験道場を開いた、日光院清延氏が祈祷に神楽を奏したのが始めとされている。
明治初年、太政官布告により修験道の廃止とともに、神楽も衰退したが、後、神楽は千葉常右エ門に伝えられ、宮城県築舘で神楽を習得した千葉栄左エ門が庭元となり中興し、その間出雲流科白(せりふ)神楽を習得し、隆盛を極めた。
明治二八年一○月、神道神楽会長小川原房松、菅原金之丞の両名により神楽本を製作し後世に伝えた。
その後、西磐井郡萩荘村、黒沢神楽、水沢市五千刈、下幅神楽とも交流を深めた。
戦後中断していたが、昭和五一年一月、瀬台野神楽の巻物を伝える江刺市田原の川内神楽より師匠を招き、指導を受け復興し、現在に至る。」
由来にもあるとおり、瀬台野神楽は胆沢江刺(現奥州市)に広く分布する神楽団体の根幹となった団体で、他地域の芸態とは異なる様式をもった神楽を修している。
これは幕末から明治初年にかけて独自の工夫をなした神楽が地域に受け入られ、それが伝播していったことが伺われる。
従って、この流れを汲む神楽団体は数多くあるが、舞の手などには古い祈祷舞の形式を残しているのは瀬台野神楽だけかもしれない。
この日の司会者の紹介で平均年齢70歳のおじいちゃん神楽とありましたが、それは表面上の紹介として受け流しておきます。
私的にいうと、飛び跳ねる神楽舞は若者の領分であり、反面熟達した芸を見せうるのは一分の隙きもない名人業ではなかろうか。
それはともあれ、例年正月元旦に瀬台野神楽さんが地元の熊野神社で奉納するはずがコロナ禍で中止となっていたため、この日の舞が今年の舞初めとなったことと思います。
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