狼ヶ志田神楽「宝剣納め~奪い返しの場」@2020蚕養神社神楽奉納
さて本日は、蚕養神社神楽奉納から狼ヶ志田神楽で宝剣納め~奪い返しの場です。大トリです。
その前に狼ヶ志田神楽さんの由来について定本より
「狼ヶ志田神楽は、文久元年神楽の祖、菅原甚太郎、菅原新右エ門、菅原今朝吉、小野寺長蔵等が、小山、中沢神楽の本庄板太郎より山伏神楽を伝授された。
明治二十五年十一月、菅原甚太郎が上昼沢佐藤家を通して達古袋と縁組をしたことから、西磐井郡萩荘村達古袋阿部徳太郎、小岩彦三郎両師匠より達古袋神楽を伝授された。
達古袋神楽は、達古袋に永住した羽黒山系山伏一七代元道常学院相模坊が指導したと言われる。
大正五年二の台、養ヶ森、大正八年恩俗、衣川雲南田等に狼ヶ志田神楽を伝授している。
明治二五年初代庭元菅原甚太郎より昭和四四年九代庭元青沼松男に引継がれている。」
現在の代表は高橋先雄さんです。
演目の方は、宝剣納めから奪い取り、そして日本武尊の奪い返しまでの内容です。
この前の演目は大蛇退治でしたので、首を取られ大蛇が吊るされたままです。
この大蛇の尾から出た天叢雲剣を素戔嗚尊が熱田神宮に奉納するのがこの宝剣納めですので、話の筋書き通りに演目が続きました。
素戔嗚尊が熱田神宮へ天叢雲の剣を奉納します。
素戔嗚尊が宝剣を納めて幕に入ると、次は磐長姫の出掛かりですが、ここでは扇を雲張りに使います。
幕出しは「せんやあ やまのはぁ やまのはぁ いよさぁ いよさぁ」
ジンツツダンノ ジンツツダン 山の葉舞です。 静かな中にも妖気が漂う舞になっていきます。
宝剣の前で蛇面に変わると、悪鬼の激しくおどろおどろしい舞に変わる。
これは、鬼面を被っているが人間の禍々しい本性をも表わしている。
宝剣を奪い取った悪鬼は自らの住処へと逃げ飛び帰る
〽 あら嬉しやな 年来念をかけたる宝剣 我が手に入ること嬉しやな
これより人目に止まらぬよう 雲を霞と逃げ延び申さんやのう
これより後、第12代景行天皇の皇子である日本武尊が天叢雲剣が盗み取られたことを知り駆けつけるということです。
記紀神話に沿って年代を数えると神武天皇即位から約千年後ぐらいのことですので、磐長姫が持ち去ってから千年ほどの間、海の底に隠されていたことになります。いや、磐長姫が千年の間執念深く潜んでいたということか。
閑話休題
力強い日本武尊のネリ舞です。頑張ってます同級生。
最後の修羅場は悪鬼と日本武尊の戦いです。
遂に、天叢雲剣を奪い返して、再び熱田の宮に納める場面です。
太刀御神楽で舞い納めます。
動画でどうぞ
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