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2020.01.08 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ諸芸

小島願人踊@2019第15回登米市民俗芸能大会

さて本日は、第15回登米市民俗芸能大会から小島願人踊です。

小島願人踊の由来については、「登米市伝統・伝承芸能記録保存」誌より引用します。

「江戸時代の中頃、願人坊と呼ばれる半僧半俗の遊行僧たちが、伊勢神宮参詣の代参をしながら諸国を巡り歩いたとき、伊勢音頭や住吉踊りを主体とした唄や踊りを演じていたのが「願人踊」と言われています。
江戸時代末期、小島地区に滞在した願人坊たちから習い覚えた芸能の一つで、五穀豊穣を祈る踊りとして演じられてきましたが、時を経るにつけ次第に信仰心から離れ、座敷芸へと変遷し、現在は酒席の余興芸として「甚句」や「おいとこ」などとともに踊り継がれてきました。」
ということです。



願人踊はもともと放浪の門付け芸ではあったが、時が経るにつれて様々な芸能がや語り物(早物語)が積み重なっている感じがする。
更には、この芸能はもともと門付けでやっていたものが、幕末明治に至って座敷芸(宴席芸)に変遷し、華やかで洒脱な音曲歌詞を伴うようになった姿が見える。

20190707214626_DSC2941.jpg

歌詞の6番目の「伊勢はな」と7番目の「道者願人」との間に「ちょぼくれ」が入る。

ちょぼくれ(節)とは、関西ではチョンガレと呼ばれている。
チョンガレ節は一般に浪花節の前身とみられて、説教祭文から変化してきたと解されたが、特徴は節(フシ)が早口で軽快になり、冗談を交じえて人を笑わせ、独特の台本もできた。ときに浄瑠璃の一部を口説きにしたものが語られ、台本は古いもので、節だけチョンガレのものもあった。
チョボクレ チョボクレ、チョンガレ チョンガレのはやし言葉も入るが、その発声法は「へばり声」と言われて、祭文も、チョンガレも、浪花節も同じとされている。また浪花節の節廻しは義太夫、祭文、歌舞伎の声色にも取り入れられ、近畿地方の盆踊り「江州音頭」にも取り入れられた。

そして小島願人でのちょぼくれでは阿呆陀羅経が唄われる。
阿呆陀羅経とは 願人坊主が時事風刺や言葉遊びなどを早口に節を付けて口上する俗謡であり、「阿弥陀経」をもじった経文まがいの文句を小さな二つの木魚をたたいて拍子を取りながらうたって、銭を乞い歩いたというものである。
後に早物語などに変化し、田植え踊り等の中入り口上にも使われるようになる。

小島願人では木魚の代わりに両手に四ツ竹を持って踊りながら阿呆陀羅経を叫ぶ。
(以下に文句を掲載するが、動画からの書き起こしなので間違いがありましたらご指摘願います)

エー恐れながら、勿体ながら、そろそろ繰り出すお経の文句。
何は何と申したならば、
今の世の中、四方逆様で石が流れて木の葉が沈む。
嫁が姑で姑が嫁だ くるりしぶくれて背中にデベソ
ハェー ワンつぐ 吠えつぐ 喰らいつぐ
喰らいつきなら傷がつぐく 傷が付いたら痛みつぐ
痛みついだら医者がつぐ 医者がついだら薬つぐ
薬ついだら治りつぐ 治りついだら跡がつぐ

エーおよそ世の中 赤いものだらけ
****国の花 ****平家の赤い花
あの蔵の看板 女郎屋の看板 これも赤い
赤いものだらけはまだまだある
猿のけっつに 牡丹の花 これも赤い

尚、囃子方の合いの手は「スチャラカポコポコ」であり、これもチョンガレの系譜を感じさせる。

20190707215130_DSC2948.jpg

小島願人踊 歌詞

1番 願人はじまり
オイ ハア願人はじまり(ソオダンヨオ ツガアイナ)
キテ ササーヤァートーコー セエーエー ョォィヨー ナァー
(ハア アリャリャンノ)キテ 平レハノ ナアー アッササー
ヤハン サンノオ セエーエー(太鼓)(ハァ マダマダ)

2番 目出度な
目出度なァー 目出度のー若殿様がな― (ハア ョイコイ)
御巡業なアー 益― 々 ハア やんで御目出さ―
キテササー ヤアートーコー セエーエー ョォィーヨ ナアー
(ハア アリャリャノ)キテ コレワノ ナアー ア ササー
ヤハレ サンノオー セエィエー(ハア マダマダ)

3番 奴さん
奴さんよ― どちら行く(ハア お旦那お迎えに)
さ―ても 寒いのに わしぃ一人
ハァ 雪の降る夜も 厭わずに(お供はつらいね)
いつも 裾のほうが寒ざらし
アリャハン キテション コリャハン トコトン
何としょうぞうえなぁ― (ハア マダマダ)

4番 姉さん
姉さんよー 本懐な(ハアヨイヨイ)
きぬぎぬのー 言葉モ 交わらさんの 明日の夜に
裏の窓から わし一人― (合図はよおすか ハア ヨイヨイ)
首尾をよくして― 会いに来るぞえ―なあ―
アリャハン キテション コリャハン トコトン
実に 本懐なァー(ハア マダマダ)

5番 お客さん
お客さんよ― どちら行く(お女郎買いに参じます)
さあても― 綺麗な―身の回し― ぁ―だな 深川の 送り船
(いづくなりとも 行かしゃんせ)
桟橋― 苦もなく― 昇るじゃないか―ぃな
アリャハン キテション コリャハン トコトン
こけな 女郎買いなァ(ハァ マダマダ)

6番 伊勢はな
伊勢は―なァ 津で持つ 津はい_せぇ_で持つな(ハァ ヨイヨイ)
尾張― ナーァー 名古屋は ハァ ャンデ城で持つ
キテ ササー ャァ_卜_コー セェ_ェー ョォィーョ ナァー
(ハア アリャリャンノ)
キテ コレヮノ ナァー ァッササー ャハレ サンノオ セェーェ_
7‐ 5・5・7(スチャラカ ポコ ポコ)

7番 道者願人(オィ ピーで声)
ハア 道者さんはじまり(ソォダンヨオ ツガアイナ)
伊勢のなァー道者さん はばかりながらも 泊まらんせ―
二階もどんどん 開いている―
畳の表も良いそぅだぁ 続いてぁんどん 張り替えて―
お茶も―なぁ― 新茶で― 旅籠銭もヤスゥィナ ソリャ
お泊りい ャート_コー セェ_ ョォ_ィョー ナァー
(ハア アリャリャンノ)キテ コレワノー ナァー
アツ ササー ャハレ サンノオー セィェー

S1750121.jpg

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テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2020.01.08 |

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