城生野神楽「鶏舞」@第59回宮城岩手選抜神楽大会
さて本日は、第59回宮城岩手選抜神楽大会から城生野神楽で鶏舞です。
昨年度優勝チームということで、式舞である鶏舞を奉納するという意味で特別出演枠での舞台となりました。
その前に、城生野神楽さんの由来について定本より
「嘉永年間(一八四八)富野城生野の富助が岩手県西磐井郡萩荘村市野々、自鏡山の山伏神楽を習得した。後部落の若者達に指導して城生野神楽を創設した。
以来城生野神楽は、山伏神楽の正統を保っているので宮城県北の神楽の総元締である。
初代庭元千葉幸之進、現在の庭元加藤義勝は五代目である。
昭和三六年一一月、築館町の無形文化財に指定されている。」
とあります通り、幕末に自鏡山の法印神楽を習得して以来、明治中期に阿久戸神楽に伝承したのを初めに、栗原地方の十数団体に神楽伝授を行なってきた団体であります。現在の代表は佐藤安美さんです。
この日の胴は佐藤涼さんです。
南部神楽にはつきものの鶏舞ですが、実はそのもととなった法印神楽には鶏舞はありません。
またもう一つのもととなった山伏神楽には鶏舞はあるものの、現在の南部神楽の鶏舞とは全く芸態が異なります。
というか、鶏舞と御神楽の差異が判然としない山伏神楽にあって、南部神楽の鶏舞にはその残照が見て取れます。
なので、現在の南部神楽の鶏舞は山伏神楽の鶏舞をベースにしつつ、華やかな舞の所作を組み入れていったのかと推察します。
その典型がこの城生野神楽さんの鶏舞です。
岩手県内南部神楽の鶏舞(御神楽)には無いハイスピード感あふれる舞となっています。
それとともに、早い崩し舞の後半で舞手全員がピタッと止まる瞬間があります。
これは早池峰神楽系の崩し舞等でも見られる所作で、ここで観客から「ヨシッ!」等の声がかかる最高の見せ場です。
南部神楽で鶏舞を演ずる団体は多くありますが、このピタッと止める瞬間があるのは城生神楽だけです。
それに頼もしい若手も育ってきていますしね!
動画でどうぞ
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