槻沢梯子虎舞@陸前高田市 清瀧神社式年大祭
さて本日からは、4月21日に催行されました、陸前高田市横田町槻沢鎮座の清瀧神社式年大祭のリポートとなります。
清瀧神社の式年大祭は.5年ごとに開催されるものでしたが、前回の平成26年は東日本大震災で犠牲となった人を悼んでまつりを自粛したことから、10年ぶりの開催となったことのようです。
清瀧神社は槻沢の山中にある「男滝」を背後にして社殿が立ち、不動明王と瀨織津姫命を祭神とする.勧請は元禄年間で、不動明王像は寛政7年(1795)に奉納されたと伝わる。
さて、槻沢梯子虎舞です。
陸前高田市の虎舞は、気仙町長部の二日町寅舞、竹駒町の新田虎舞、そして横田町内の槻沢、堂の沢、本宿とがある。
いずれも伝来は気仙沼市唐桑あるいは広田町根岬よりとある。いずれも高い梯子を使った虎舞である。
梯子の高さは60尺2寸(18m)で、梯子の段数は47段。
梯子の柱には昭和48年3月28日造製とあった。
槻沢梯子虎舞は、昭和24年に当時の槻沢地区青年会が「戦後復興期に心一つになれるものを」と、堂の沢から指南を受け、習い覚えて祭りに奉納したのが始まり。47年からは後継者不足によって途絶えていたが、平成11年には槻沢地区以外の青年会員も加わって復活させた。
虎舞には虎を鼓舞しつつあやす「才坊」と、虎には4人が入って舞をする。
庭入りした後に梯子に登る前に手前の笹で笹喰みをした。これは気仙沼のものと似ている。
梯子虎舞の発祥譚として次のものが伝わる。
「昔、多くの神々が出雲へ集まることになり、その中のある神が大勢のお供を引き連れて行くと、一頭の獅子が行く手を遮っていた。さらに右手に岩崖、左に深い谷があるため一同大いに困惑したが、一行の中に才坊という機知に富む者あり。身振り手繰りよろしく獅子を誘導し、ついに岩の上へと誘い上げてしまう。お蔭で一行は無事出雲に赴くことができたという」
梯子虎舞は、この故事を舞踊化したものという。
梯子に乗っての芸能は、獅子舞にも見られる。千葉県君津市の鹿野山 はしご獅子舞は囃子も似ている。
陸前高田市の資料によると、槻沢梯子虎舞は旧3月28日の清瀧神社の祭典に奉納されるほか、小正月の悪魔祓いにも演じられる。この虎舞は小正月の予祝行事に欠かせないものとされ、毎年正月中に稽古に励んでいる。
と記されているとおり、本来は小正月行事に出されたもので、また才坊も10人つけたとあるので、今とは多少の違いがあるものの、小さな集落にもかかわらず剣舞とともに守り伝えられてきた民俗芸能として大変貴重なものです。
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