気仙法印神楽「初矢」@気仙民俗芸能祭「けせんのたから」
さて本日からは、9月30日に大船渡市日頃市町の鷹生地域公民館で行われました、気仙民俗芸能祭「けせんのたから」のリポートとなります。これは五葉山神社例祭に奉納される神楽ということです。
気仙法印神楽は、大船渡市盛町鎮座の天照御祖神社の社人を中心とした気仙地方の神社の神官のみによって行われる法印神楽であります。
その由来について同社発行の「秘伝気仙法印神楽」によりますと
「沿革 気仙法印神楽とは、岩手県の南部、気仙地方に伝わる法印神楽のことです。法印とは山伏の俗称ですが、この地方には、古くから羽黒派・当山派・大峰派の山伏(修験者)が多数堂社を建立して宗教的行事に関与していました。
その修験道は、明治維新の修験道廃止令によって、その役目は終りましたが、山伏達は、独特の伝承芸能を持っておりました。
そしてその芸能を諸社の祭礼(主に夏祭り)がありますと、互いに寄り合って社前に舞台を設けて奉納しておりました。この法印達の演じる芸能を法印神楽といいます。
法印神楽の舞の稽古は、厳しいもので、法印以外の者の参加は許されませんでした。しかし、明治以降は、一般の人々も参加し、旧法印や神職の指導のもとに、この神楽を保存するようになりました。
しかし、気仙地方や、本吉郡地方では昔の法印の流れを汲む神職達が、従来の伝統を守っで、神職達の手によって法印神楽を演じております。この神楽を気仙神楽とも言います。
この気仙地方の法印神楽と同系統のものは、宮城県の牡鹿郡、桃生郡、登米郡、本吉郡の各地にも分布しており、気仙地方から伝わったと思われます(「陸前浜の法印神楽」本田安次著)が、その伝承経路は明らかではありません。」
とありますとおり、岩手県の神職のみで行われる法印神楽としては唯一の神楽です。
気仙法印神楽の奏楽は太鼓が締太鼓と宮太鼓の二つ、それと往時は笛がついたというが今は無くなっている。
今回の神楽奉納は平成30年度文化庁の文化遺産総合活用推進事業で、気仙法印神楽の現在の上演可能な全演目披露となました。
最初は初矢からです。
いわゆる浜神楽の上演順序と同じく、初矢は昼神楽の最初に舞われるもので、久々能知神の舞ということです。
久々能知神とは、樹木を守護する神で、山の神・家屋を守る神ということです。
通常は一人舞ですが、この日は三人での舞となりました。
舞の中では手次や足の踏みに法印の型が組み込まれています。
神楽の形式には前半の緩やかなネリと、後半のテンポの早い御神楽とで構成されています。
動画でどうぞ
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