大森神楽「山ノ神舞」@第58回宮城岩手選抜神楽大会
さて本日は、第58回宮城岩手選抜神楽大会から大森神楽で山ノ神舞です。
大森神楽さんは地元が奥州市の衣川区の南股というところで、近くに大原神楽という団体があり、そこの神楽師匠である小坂盛雄氏に伝授された団体です。
その、大原神楽は大正年間に一関市厳美町山谷から入婿した高橋辛氏が始めたので、大森神楽さんも三輪流山谷系統となっております。
大森神楽さんは式舞にも意欲的に取り組んでいて、若い舞手のみなさんがこれらを良く習得しているのが感心させられます。
山ノ神舞の幕出し唄は 〽 サンヤー 山ノ神は 山ノ神は サンヤー
幕出しでは幕を大きく揺らしながら出ます。続いて青のサンヤ面を付けて激しいネリ舞になります。
一舞の後に米の散供になります
面を外して装束を改める間に胴取殿が撥車の曲打ちを披露されます 見事!
崩し舞の中途で舞手自らが山ノ神の本地を語る場面がありますが、いつも思うのは激しい舞の直後に息も乱さずに朗々と語るのは、まさに修験者の業と。
「さらさらと降りたもう 権者あやにまし サンヤーあやにまし。
色佳きかたち高麗の権者おもしろし サンヤーおもしろし。
山ノ神のご本地を詳しく説き奉る サンヤー奉る。
父をばカクジツノミコトと申し奉る サンヤー奉る。
母をばカヤヒメゴゼンと申しおんたいとなし、
お産ませたもうその子をば大山祗尊とはそれがしがこと申すなりヨー。
世の中の きぐさの雨露しのぎ日にあらため 良くとしつきの齢をたもつこと。
皆自らがなす業なり ヨーホー。
秋山々みな紅にそめながら みな金銀の衣衣装 ヨーホー」(違ってたらすみません)
この言い立てであるが、早池峰系の舎文は
「さらさらと天下ります山ノ神和光のご利益いや増しにけり・・・」
ですぐに山ノ神の本地に入る。
ところが岩手郡の一方井神楽の舎文は
「さらさらくんだりたもうござさんや、
あやにますいろよきかたちこうらいの
ごんざさんや おもしろし
されば山ノ神の御本体をくわしくたづねてまつるによっておろかなり、
さあれば父の御名をば那羅葉大王と申し奉る。
母をば金毘羅三所御前と申し奉る。 ・・・」(岩手の民俗芸能 山伏神楽編より抜粋)
となっている。語彙に多少の違いがあるが、岩手山麓に広がる山伏神楽に共通項を見出すのは尚早かもしれないが、面白い比較と思います。
、五穀豊穣、村内安泰、家内安堵を祈祷しての激しい舞が続きます
最後は前年度優勝ということで、お祝いの餅まきとなりました。
動画でどうぞ
- 関連記事
-
- 城生野神楽「河津三郎祐泰最後の場」@第58回宮城岩手選抜神楽大会 (2018/09/14)
- 駒堂子供神楽「宝剣納め盗取り」@第58回宮城岩手選抜神楽大会 (2018/09/13)
- 大森神楽「山ノ神舞」@第58回宮城岩手選抜神楽大会 (2018/09/12)
- 嵯峨立神楽「地神四代」@第58回宮城岩手選抜神楽大会 (2018/09/11)
- 平形神楽「法童丸庭園の場」@第58回宮城岩手選抜神楽大会 (2018/09/10)
