和賀大乗神楽 伏獅子 @ 第18回慶昌寺神楽公演
さて本日は第18回慶昌寺神楽公演から和賀大乗神楽さんの伏獅子です。
この日の最終演目ということですので改めて和賀大乗神楽さんの由来について
「口伝では、約600年前の正和4年(1315年)に慈覚大師の弟子である玉木明介が京都東山の聖護院の門跡として修験修行し、煤孫に帰郷後に貴徳院を開基。後に権大僧都満開山円光法師が創始した神楽とされ、「貴徳院法印神楽」とも呼ばれていました。
嘉永元年(1848年)に、宮城県遠田郡涌谷箆岳の無夷山箆峯寺(天台宗修験兼帯)から大乗神楽が伝承され、嘉永2年(1849年)に南笹間(現花巻市)の萬法院を会場に大乗会を開催しました。3年後の嘉永5年には大乗仏教を基にした加持祈祷の舞として「大乗神楽」と改称。
その後、一時中断されていましたが慶応年間に佐藤寅次郎が貴徳院に伝承されていた神楽の復興を願い、妻の父である南笹間の八幡神社別当高法院(十七世再中興法印)に師事して再興しました。
また、神楽の習練と継承を目指すため、江釣子の自性院や更本の大福院と協力して発展に貢献すると共に、明治8年と33年に合同による大乗会を催行しています。その後自性院は神楽からは離れてしまっています。
煤孫の大乗神楽は佐藤寅次郎より高橋多喜蔵・武田三蔵・三田市太郎・武田博・鈴木秋尾・亀田正樹、現在の鈴木俊逸・菊地斉と続きます。
現在では、元朝に煤孫の古舘神社に奉納し、別当の武田家で舞い始め儀礼を行うほか、毎年3月頃に地元の慶昌寺本堂に於いて「慶昌寺公演」を開催しています。大乗神楽30演日以上の内、半数以上の演目を所持しています。」
ということです。胴を取っているの代表の鈴木俊逸さんです。
伏せ獅子は諸神・諸佛の願力に依つて後生安楽を願い、八大竜王の加護を祈り、悪魔を降伏させ、家中の霊気を祓い、厄病を消除する舞ということです。
最初に下舞ですが、扇の次に数珠を採って舞うのが大乗神楽の特徴です。
大乗神楽の伏獅子の場合は、山伏神楽の権現舞より一層採物の加持祈祷が前面に出てくるようです。
これは秋田の番楽の方でも同様で、権現様による身固めよりも無病息災等を願って自らの持ち物を獅子の体内で浄化蘇生して祓うという信仰が強いことが見て取れます。
そのことを明らかにするために、予め刀等を口から獅子の体内に入れて祓った後に再度吐き出して崇敬者に戻すという儀礼的な所作をする。
これは、権現舞としては最重要の意味があり、このことがあるために民衆が集まり報謝を持って迎えるということになっている。
それはさておいて、権現様の口に入れた巾着袋から餅入りの袋が吐き出され、その餅を客席に撒くといったサービスも満点でした
和賀大乗神楽の皆さん、大変ご苦労様でした。良い神楽を見せていただき感謝申し上げます。
また拝見する日を楽しみにしております。
動画でどうぞ。
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