中野神楽 小袖曽我 @ 第30回あやめ祭り神楽大会
さて、本日は第30回あやめ祭り神楽大会から中野神楽さんで小袖曽我です。
その前に中野神楽さんの由来について定本より
「明治5年、佐竹幸吉が庭元となり岩手県西磐井郡厳美村、三輪流山谷神楽の師匠を招き指導を受け、中野神楽を創設した。
二代、三代とも山谷神楽の師匠の指導を受けた。」
とあります。
現在の代表は六代目の佐竹正義さんです。
曽我兄弟の母です。
この演目の出典は能の四番目物(雑能)の小袖曽我です。
兄の祐成は父の仇の工藤祐経を討とうと決心します。
その前に母親に今生の暇乞いをするため、また、五郎の勘当の許しも得ておこうと、母のもとを訪れます。まず、十郎が案内を求めると、母は喜んで迎え入れ形見に波に千鳥の小袖を渡します。
その一方で弟五郎時致には出家になれという母の命にそむいたというので再び勘当をいいつけます。
祐成はこのたび兄弟そろって御狩に出ようとしたのに、弟を許してくださらないのは、私の身をも思ってくださらないことになるのです。かくなる上は汝が命を我に預けて母の怒りを鎮めんと弟を手に掛けようとします。
それを見て、母満江御前はいたたまれずに祐成の刀を押しとどめます。
〽 世の中に 親を思わぬ子はあれど 子を思わぬ親は無し
憐れに思った母は、弟五郎時致を許し、揚羽の蝶の小袖を形見にと分け与えて、二人を見送ります。
兄弟はおのおの一首の歌を詠んで仇討ちにと旅立ちます。
弟時致
〽 秩父山颪ろす嵐の厳しさに 枝散り果てて 葉はいかにせん
兄祐成
〽 今日いでて巡り合わずば尾車の この輪の中に無しと知れ君
さらば別れか母上様
動画でどうぞ。
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