2017.04.13 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

和賀大乗神楽 下狂言「寺渡し」@第17回慶昌寺公演

さて本日は、第17回慶昌寺公演から和賀大乗神楽さんの狂言演目で寺渡しについてです。

神楽で狂言といえば、祈祷舞や神舞などの厳粛な演目が続いた後で、息抜きというか余興的に繰り出されて、観客の顔も緩むような楽しい内容となるものが伝承されています。

和賀大乗神楽では、同じ狂言でも「上狂言」と「下狂言」の演目があり、二人で掛け合い的に行うものを前者、三人以上で賑やかに行うものを後者としているようです。

因みに、上狂言は宝狂言、ツボ草、刀記の三演目。
下狂言は戸草長根、寺渡し、三人婿、老母舞となっているようです。
いずれの演目も幕末以降に農民が継承の中心になってきた経過から、軽妙な内容とともに滑稽さや艶噺しの風情を残しています。
ただし、掛け合いの会話の言葉が現在とは時代も異なることから、内容が理解しがたい部分もあったりします。
この辺は、南部神楽の科白が聞き取れないことと同様に、現在に上演する際の大きな難題ともなっています。
(方言であるばかりでなく、言い回しや隠語などもあり、不明な単語も多い)

しかしながら、当時の台本そのままに演じられているのは貴重なことで、大まかには話の筋は理解できます。
その証拠に、観客の皆さんも笑いのツボの場面では爆笑して楽しんでいましたから。


さて、寺渡しです。

この演目は、年老いた住職(隠居)が小僧に寺の住職を受け渡そうとし、小僧とのチグハグな掛け合いで進行していくものです。

隠居 「東西東西 かく罷り出でましたる者は、この寺の住職でございます・・・」

そこへ小僧が現れて隠居様から住職を任されます。



住職となった小僧が、お勤めに励んでいると様々な客がやってきて小僧に借り物を申し出ます。

檀家がやってきて、傘をかしてくれろというと、小僧は寺の宝物の日傘を貸していまいます。
そこへ様子を見に来た隠居に、「そういう場合は言いはずれ(ウソ、誤魔化し)をしてやれ」と教えます。
ここでは、傘はこわれて貼り替えを頼んでいたが、大風で骨と皮がバラバラに吹っ飛んでいったから無いと言え、ということ。

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次に違う檀家が馬を借りにきます。
すると、小僧は習ったばかりの「言いはずれ」で、馬を貸そうにも、骨と皮がバラバラになったので貸せないといいます。
それを聞いた檀家はこの馬鹿坊主めがと怒って帰ります。

またまた、隠居が小僧の様子を見に来て、言いはずれの失敗を聞き、そういう時は馬の病気で歩けないのだと言えと教えます。

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さて、次に現れたのは村娘で、お振る舞いをするので隠居様を呼びに来たという。
小僧は「言いはずれ」で、隠居様は足の病気で歩かれないからお振る舞いにはいかれない。それよりここで御祈祷してくれと娘の手とり足取り踊りだします。


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そこへ隠居が来て、近頃小僧が娘を寺に連れ込んで大騒ぎしていると詰め寄ります。
がしかし、そこへ隠居の妾がやってきて娘に手を出したと思い込み、寺は入り乱れての修羅場となります。

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最後はなぜか小僧が、「仲直りして、皆でお祝いの踊りをしよう」と踊りだします。
ま、千代の御神楽といったところでしょうか。

和賀大乗神楽さんでもこの演目は数十年ぶりの復活上演ということでした。

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動画でどうぞ。

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2017.04.13 |

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