2016.11.24 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ田植踊り

三ヶ尻座敷田植踊@第36回金ケ崎町郷土芸能発表大会

さて本日は、第36回金ケ崎町郷土芸能発表大会から三ヶ尻座敷田植踊りです。

金ケ崎町内には庭田植と座敷田植の双方ありますが、金ケ崎での座敷田植のルーツは三ヶ尻とされています。
文政三年生まれの菊地伝三郎が何処から踊りを習得して広めたかは不明であるが、その踊りの構成などから仙台市周辺かと推量される。

昭和44年に三ヶ尻芸能保存会が発足し、現代表は鈴木美登里さんです。



三ヶ尻座敷田植の特長は、踊りの構成が二段階に分かれていて、前段は種蒔き舞という田植作業の物真似となっていて、後半は早乙女の手踊となっている。

最初に下座と呼ばれる農作業の所作を苗代掘りが道化役として口上を述べながら演じる。
この日は一人でしたが、本来は男女二人で苗代掘りから苗取りまでを大黒舞の囃子に乗せて踊ります。

IMG_8151.jpg

苗代ができると稲の種蒔きとなるので、嫁御を呼び寄せます。
種蒔きなので、予祝の意味合いもこめて孕女が登場し、種の代わりに会場に餅撒きをします。

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目出度く苗ができたところで、いよいよ田植になるので、田囃子として早乙女の優雅な舞になります。
これを本踊りと呼んでいますが、踊りの演目は手振り、一本木、二本木、仙台田植、銭太鼓、代洗いと、やはり仙台方面の流れであることがわかります。

この振り袖の女の子が扇や銭太鼓を持って踊る形式はこの日ゲスト出演した秋保の湯元田植踊との近似性があるばかりでなく、かつては三ヶ尻田植踊でも褒め言葉に返し言葉があったという驚くべきことがわかりました。

褒め言葉

東西東西シン暫くの間鳴りを鎮めて穏やかに穏やかに
東の果ての小野郎娘がヒョヒョラヒョット出まして
褒める様とて知らねども 三杯酒に浮かされて チョットばかり誉め申す
一に頭取 ニに笛太鼓 三に三味線 小拍子までも誉め申す
中に立ちたるおん早乙女花にたとえて申すなら
牡丹 芍薬 ケシの花 枝垂れ桜か八重桜 いずれ劣らぬ杜若と敬って誉め申す

返し言葉

誰彼様やら誰彼様やら おん大勢の中よりも 我らようなるやつがれ共
ごひいきとあってお褒め言葉 下しおかれまする段 庭元 頭取は申すに及ばず
総座中こぞりまして誠に有り難き仕合せに存じ奉り候
就きましては御膝元までまかり出 色々御礼申し上ぐべきの所
ごらんのとおり 田植多忙の折なれば 御礼の儀はこれにてお許し願います。
                                      (金ヶ崎の民俗芸能 より)

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またこの日は無かった演目に「けまし」というものがあり、その歌詞に
〽 どこよりも おもしろや 豊間殿が在所
という部分があるが、これは登米のことではないか。

また三ケ尻から伝授されたと推量される北方座敷田植の扇踊りの歌詞には
〽 吉岡の七つが森に さても見よい森かな このや森に 蕨を折るのは 人の娘か
という部分がある。こちらは黒川郡大和町の吉岡のことと思われる。


創始したと伝えられる菊地伝三郎が何処から習得したかは分からないが、今後も秋保の方との交流する中で明らかになってくることもあるのかもしれない。

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動画でどうぞ。

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2016.11.24 |

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