志津川荒砥契約会に呼ばれた城生野神楽
さて本日からは、5月1日に宮城県南三陸町志津川の荒砥崎に鎮座する愛宕神社と秋葉神社の例大祭(春祈祷)に呼ばれた城生野神楽さんの公演模様についてリポートして参ります。
その前に、今回の神楽公演について一言。
城生野神楽さんのメンバーと釣船「第八源栄丸」の船頭である遠藤富男さんとの縁で震災前から「神楽を呼んで」秋葉愛宕神社の例大祭に二年に一度神楽公演をしてきたということです。
震災後は、一昨年の4月20日に行われました。その際の模様は拙ブログを参照してください。⇒http://maturinookkake.blog.fc2.com/blog-date-20140421.html
ところで話は横道にそれます。
上の画像は2年前のものですが、神社の旗には「荒砥契約会」と書いてあります。
陸前浜一帯には、村落組織として契約とか契約講という名の年齢階梯制集団が構成されている。
下表は志津川町史に掲載されている構成表で、男女別年代別に組織化されていることがわかる。
年代別というよりも、男も女も各講の移動は「結婚」を起因としている。
つまり、自分の結婚、息子の結婚、孫の結婚を契機として代替わりをしていくということだ。
7歳になれば子ども仲間として子ども行事に加わり、15歳になると成人とみなされて結婚するまでは青年団(自警団とも)として集落内での役割を果たす。
そして結婚を契機に青年団を退会し、父親に代わって契約の会合に出席することになる。
また、自分の子が結婚をすると代替わりをして隠居するということだ。
この日、山上の神社で神事が行われている途中で一人の女性が上がってきて周りを見回し「これって男の人しかいないのですか?」と尋ねていました。
契約会は男の会合なのですが、最近ではそうでもないようで、近くにいた契約会の方が「(集落の)誰でも参加できますよ」と言っておられたのが印象的でした。
そういう訳で、神社の祭礼を運営するのも契約会の役割ということで、この日は若者の皆さんが神楽舞台まで用意して祭りを盛り上げようと頑張っていました。
フライ旗が沢山飾られた会場の荒砥集会所ですが、ここも移転対象となっているので、間もなく新しい集会所が高台にできるそうです。そこのこけら落としにも城生野神楽さんが呼ばれるかも。
閑話休題
この日の城生野神楽さんは、若いメンバーが新しい演目に挑戦するなど、興味のつきない内容となってました。
残念ながら雨のため神社でのお山かけはありませんでしたが、昼神楽と夜神楽に分けての番組構成など参考になる要素もたくさんありました。
最初は鶏舞からです。
幕出し唄は
〽 センハーハー 秋なればホー 鹿との紅葉の 共連れてホー
城生野神楽さんの鶏舞はいつもながら見事なのですが、緩急のメリハリがしっかりしているので、見ていて爽快感のある舞となっています。
尚、この日のプログラムは次のとおりです。
神社にてお山かけ 10:30
昼神楽 13:30~
・鶏舞
・一の谷合戦より鵯越の逆落し
・熊谷小次郎直家、平山判官末繁先陣争い
・熊谷小次郎直家矢負い
夜神楽 16:30~
・素盞嗚尊乱行
・八俣の大蛇退治
・道化(弥次喜多道中記)
・舞い納め
動画でどうぞ。
場所はここです。
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