南沢神楽 「魔王退治」@第46回岩手県南宮城県北神楽大会
さて本日からは、4月29日に開催されました第46回岩手県南宮城県北神楽大会のリポートとなります。
従来は5月3日の開催でしたが、諸般の事情で4月29日開催に移行したということです。
まずは、審査結果から
優勝 川内神楽(衣川) 準優勝 栗原神楽(栗原)
3位 達古袋神楽(一関)
奨励賞 牧澤神楽(一関) 努力賞 長下田神楽(石越)
個人賞 若人 菅原友吉(東北まぐら神楽)
翁 森田時雄(駒堂神楽)
女形 佐藤優子(蓬田神楽)
荒型 小岩恭一(達古袋神楽)
太鼓 今野久悦(栗原神楽)
ご出場の皆さん、寒い体育館で頑張って最後まで見ていた皆さん、本当にお疲れ様でした。
ということで、トップバッターは南沢神楽さんの魔王退治からです。
その前に、南沢神楽さんの由来について
「明治初期、市野々に本郷神楽が組織され、市野々神楽の本流となったが昭和初期衰退した。
昭和一五年、金野米右エ門が宮元になり、本郷神楽の千葉秀雄師匠を招き神楽の指導を受け、南沢神楽を創設した。戦前は蘇武運一郎師匠が、戦後は蘇武築登師匠が指導に当り現在に到っている。
初代宮元金野米右エ門、二代佐藤匡美、三代蘇武栄、四代蘇武秋男である。
蘇武運一郎は神楽の師匠であると同時に神楽面師でもある。また、岩手県南宮城県北神楽大会の審査員を二○年にわたり勤め感謝状を授けている。」
とありますが、現在の代表は佐藤耕三さんです。
この日の胴取りは石川ひろ子さんです。

当日の千葉信胤審査委員長の講評にもありましたが、大会向けの人気のある演目ばかりでなく、伝承されている演目を広く習得して上演してほしいということです。
練習時間等の制約があり、難しくなってきていると思いますが、伝統を絶やさないようにと願うものです。
この魔王退治も最近では上演する団体が少なったように思います。
しかしながら、この演目は法印神楽の演目が基底になっており、貴重な演目と言えます。
法印神楽では、最初に知驚(ツケ)が出て、天照大神が治める豊葦原瑞穂国に魔民が悪事をなしていることを述べます。
南沢神楽では、この役割を天児屋根命が演じています。
冒頭に三匹の悪鬼がサンヤ拍子で出てきます。

次に出てきた天児屋根命にいろいとと悪事を働きます。

そこへ素戔嗚尊(魔王)が出てきて悪鬼を懲らしめます。

悪鬼どもは「御赦免御赦免」と手形を押すと悪びれることなく去っていきます。
最後に素戔嗚尊が御神楽で舞い納めます。

動画でどうぞ。
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