熊野堂舞楽 太平楽
さて本日は、熊野堂舞楽の五番目で最後の太平楽についてです。
この舞については当日パンフレットから
「甲冑武者六人で舞う。国を治め天下太平を願う舞である。だから、刀で斬る等の仕種は見られない。勇壮な中にも戦う姿はないのである。」とあります。
出だしは武者が一人ずつ力強く床を踏みしめながら舞台入りする。
この日は四人舞でしたが、客殿内には甲冑が二着分陳列してあったので、もともとは六人舞と思われる。
因みに、この日は黒足袋をはいていたが、往時は鹿革の足袋であったということだ。
太鼓の調子が御神楽風になると、舞手は両手を腰の前で交錯しながら浮き沈みする。
この時に手は禅定印のようになっている。
続いて抜刀し、右手で刀を持ち、左手で刀印を結び、祓い鎮めるような舞となる。
刀を持ちながら、輪になって廻りながら立ち位置を変えて舞を繰り返し、最後は再び一人ずつ舞台を降りる。
さて、以上であるが宮城県内で現在までも舞楽を演じているのはここと、木下白山神社だけのようである。
ともに山形県山寺の林家舞楽を基としているが、それよりも一層修験色の濃い印象を受けるものである。
いずれ、熊野堂神楽にしろ、舞楽にしろ、東北の熊野三山といわれる熊野社とともに貴重な文化財といえる。
動画でどうぞ。
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