熊野堂舞楽 二柱の舞(二の舞)
さて本日は、熊野堂舞楽の二柱の舞(二の舞)についてです。
他の舞楽では、安摩の舞の答舞として位置づけられて年老いた夫婦の所作舞ですが、熊野堂舞楽では安摩の舞はないようですので、二の舞だけ独立してあるということです。
解説は当日パンフレットから引用します。
「爺と媼が滑稽な仕種をする舞で、同じ失敗をする「二の舞」の語源とも言われる。
イザナギ、イザナミの二神がオノコロ島で契を結び、日本国土八つの島を産むという構成になっている」
ということです。
最初に咲面(えみめん)をつけた舞手が扇を手にして出て一舞し、次いで楽屋を向いて媼を手招きします。
呼ばれて出てくるのが大きく腫れて歪み舌を出した老婆の面(腫面)をつけた舞手が杖(かなり短い)を付きながら歩み出ます。
ところで、熊野堂舞楽の二柱の舞については稿本「奥州名所図絵 名取郡之六」にこう記されているそうです。
「熊野堂の神事 九月九日より十一日に至る三日の間 流鏑馬あるいは舞神楽等みな古なる風俗の中に二の舞いといえるありて尉と姥との仮面を被き舞ふ 諾冊の二柱の神の浮橋にたたして、大八州のくにを探り玉ふ所とて をとこ女のふるまいなとする。おかしきわさをす。又このふたいの仮面を児の舞と号て希代の彫刻なり、春日の作と云」
とあります。
翁が媼をあやしながら、鼻をかんでやったり、その紙を客席に投げたりと狂言を演じます。
かつては夫婦の交わりのような所作も演じたたということですが、この日はありませんでした。
しかし、この後で翁は四色の幣束を取り出して媼に与えるという所作があります。
この辺も非常に修験色が濃い演出といえます。
動画でどうぞ。
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