川内鹿踊 ショデイ庭@第44回川井郷土芸能祭
さて、本日は第44回川井郷土芸能祭から川内鹿踊でショデイ庭についてです。
その由来については次の如し。
「安永10年(1781)に仙台小松の庄に酒屋出稼ぎに行っていた喜惣太が習い覚えて帰ってきて伝えた」
とあります。
この仙台小松の庄がどこにあたるのかは不明です。
当時の仙台で行われていた鹿踊は八幡町鹿踊、宮町鹿踊、蒲ノ町鹿踊です。
果たして喜惣太が習い覚えたのはどこの鹿踊であったのか。
小松という地名で酒造というと、むしろ会津の小松獅子踊が.思い浮ぶのだが、こちらは三匹獅子である。
ともあれ、現在の川内鹿踊の装束芸態をみると夏屋鹿踊と同じように見えます。
それよりも、川内鹿踊を特徴づけているのは「幕の下で、二本の竹の棒を持ち、前幕を揺り動かす」(川井村の郷土芸能)という点である。
山形県北部に伝承される獅子踊りでは、前幕の中に小さな羯鼓太鼓を叩くわけでもなく下げて前幕のみ揺らして踊るという芸態がある。
川内の幕内の竹は、それを想起させるもので、あるいはその系譜なのではと思わせて興味深い。
また、川内では踊りの前半は、前幕を掴んだ両手を後ろに回して前幕を引き絞る態になる。この方がより鹿の姿を現す感じがしておもしろい。
さて、前段が長くなりましたが、このショデイ庭ですがこれは幾通りの踊りがあるようです。
この日は、前庭、くるい、草庭、ヒキサを演じました。
そしてもうひと川内鹿踊の特徴としては、お盆に門打ちをする際に、橋唄い(奉納する年によって、川内大橋と八幡橋)を掛けることである。
ここ連日川井の芸能をお伝えしていますが、先の幸いを願う祈祷行事よりも不遇な命運を持って命を落とした者への回向の芸能の方が圧倒的に多いことがわかる。
このことは、やはり閉伊地方の芸能を見る上で感得しなければならない点である。
あだや手振りの技巧のみで、芸能の技を推量しては真の民俗芸能を見誤ることになりかねない。
こちらは川内鹿踊に密着して映画化した「鹿踊だぢゃい」です。
坂下清さんが川内集落のお盆に密着取材して、川内鹿踊追ったドキュメンタリー映画です。
動画でどうぞ。
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