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2023.10.16 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

上町法印神楽「産屋」@2023稲荷神社例大祭

さて本日は、2023年10月8日に行なわれた稲荷神社例大祭から上町法印神楽で最後の演目、産屋です。

昨日までの釣弓の話の続きとなる「産屋」について。

鹽土老翁の城、竜宮で三年を過ごす内に彦火火出見尊と豊玉姫が契を交わし、御子が授かる。
彦火火出見尊を追って来た豊玉姫は尊が用意した産屋で出産することになるが、お産の間は決して中を見ることなきようにと言付ける。
この産屋が神話でいう鵜葺草葺不合(ウガヤフキアエズ)で、この演目名も法印神楽の型本では「鵜葺草葺不合尊出現」となっている。

豊玉姫が橋掛かりから登場し、自身の身の上を述べて一廻りし高舞台の屏風の陰に入る。

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彦火火出見尊が前演目での若人面から荒型面に変わり、セメの舞で登場する。
「我妻の安産のため海辺に鵜羽をもって産屋を造り、日合わざるうち来て見ることなかれと契りしが、いかが疑わし、よって産屋を見やばやと存じ候」
と、屏風の内を覗いてビックリ、龍がのたうち回っている・・・
「装束を改め、始終を見ばやと候」と退場する



高舞台から人形の赤子を抱いた豊玉姫と玉依姫が出てくる。
姫装束が二人舞を行うので舞台が非常に華やかに見えます。
豊玉姫が、彦火火出見尊に正体を見られてしまったため、自分はもうこの国に居ることはできないので御子を玉依姫に託す場面。
法印神楽では稀な情話的な場面である。

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泣く泣く子別れをした豊玉姫がもとの姿になって出てきます。
鬼面のデカさは石見神楽の如くです。

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彦火火出見尊と争う場面である。
上町法印神楽では夫婦和合の舞であるとしている。
子を捨てざるをえなかった豊玉姫の怨念を山伏の法力で折伏する示現の舞であると思う。

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蛇面が舞台上に四方に渡した木の上に上がるのがお約束。
観客も大いに盛り上がる場面です。

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上と下での戦い。観客からは「もっとやれー!」との掛け声が。

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下に降りては観客席の前まで降りての剣戟。
いいねえ、浜神楽はこうでなくては。

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そしてついには、鬼女を退散させます。

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この日の出し物が全て終わったということで、舞台の四方に巡らせた注連縄を「注連切り」します。
これは神を招いていた神座の結界を解くとともに、観客に神楽が終演したことを知らせる決まり事である。

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そして最後は、勇壮な太刀御神楽です。
法印神楽には山伏神楽のようなネリ舞から続く二段構えの崩し舞はありませんが、それに相応するのが太刀御神楽であると思います。
とにかくネリともいえる物語部分がおわるとクズシともいえる太刀御神楽になります。そうすると観客からは「いいぞ、がんばれ!」などと掛け声もかかります。

以上、台風やコロナ禍により5年間ほど神楽舞台を設えての上演が中止されていたまめからさん祭りの神楽奉納でした。
従来行われてきた何気ないことが普通に行われるということがどんなに幸せなことか、今回のコロナ禍で再確認させられました。

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動画でどうぞ


テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2023.10.16 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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