小田代神楽「鬼人退治」@2023第48回胆江神楽大会
さて本日は、2023年8月19日に行なわれた第48回胆江神楽大会から小田代神楽で鬼人退治です。
小田代神楽の由来について定本より。
「明治28年10月、部落の氏神五十瀬神社に神楽を奉納するため、氏子総代の植田喜作が庭元となり、羽田の鴬沢神楽から師匠を招き指導を受け、小田代神楽を創設した。
初代庭元植田喜作、二代及川春治、三代及川清志四郎、四代~五代及川篤男である。」
とあります。初代の植田喜作が指導を受けたのは菅原金之丞とあるが、金之丞は千葉栄佐衛門とともに瀬台野神楽を立ち上げた人物であり、後年田原の蟹沢に婿入りして蟹沢神楽を創設し、周辺の地域にも神楽指導をした。
そして現在の第六代目庭元は及川章さんです。
演目の鬼人退治は、いわゆる宝剣納めの内容で、素戔嗚尊が八岐の大蛇の尾から取り出した天叢雲剣を熱田神宮に納めたが、それを鬼人が盗み取るという場面です。
素戔嗚尊が宝剣を納めて幕に入ると、次は磐長姫の出掛かりですが、ここでは扇を雲張りに使います。
幕出しは「熱田の宮へと急ぎ行く 」 胴取応えて 「オーヨサー ヨーサー」
山の葉の拍子で優雅な姫舞となります。
静かな中にも妖気が漂う舞になっていきます。
宝剣の前で女面から蛇面に変わると、悪鬼の激しくおどろおどろしい舞に変わる。
これは、鬼面を被っているが人間の禍々しい本性をも表わしている。
宝剣を奪い取った悪鬼は自らの住処へと逃げ飛び帰る
〽 應 只今は大和武尊に見顕され 我本国へさして帰るなり
熱田神宮の宝剣が盗まれたと知った日本武命は、宝剣を追って奪い返しに行きます
日本武命と鬼女の戦いになりますが、ここで刀の代わりに笹竹を振り回して大格闘する鬼女の演技が必見です.。ここは舞手の木綿子さんの発案でしょうか。
ということで、見事宝剣を奪い返すという次第。
動画でどうぞ
