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2023.05.12 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

鶯沢神楽「弁慶 安宅の関」@2023平泉熊野三社奉納公演

さて本日は、2023年5月3日に行なわれた平泉熊野三社奉納公演から鶯沢神楽で弁慶 安宅の関です。

その前に、鶯沢神楽の由来について定本より

「明治初年、玉井豊之助、小野寺久五郎の両人が世話人となり、岩手県西磐井郡萩荘村達古袋神楽の師匠を招き、神楽の伝授を受け日向神楽を創設した。
戦前、戦後舞方が少なくなり中断していたが昭和三九年、町教育委員会が郷土芸能後継者養成講習会を開催した。講師は小野寺捨男、小野寺東策の両師匠の指導であった。
これを機に鴬沢神楽保存会を組織し現在に至る。
なお、明治一八年、二○年の二回にわたり、伊勢神宮に神楽を奉納したという。
また、大正年間、田谷神楽(江刺市愛宕)の指導をしたともいわれている。
初代庭元玉井豊之助、現在の庭元岸湊は六代目である。」
ということなそうです。現在の代表者は高橋長人さんです。



演目は、源義経が武蔵坊弁慶らとともに奥州藤原氏の本拠地平泉を目指して通りかかり弁慶が偽りの勧進帳を読み義経だと見破りはしたものの関守・富樫左右衛門泰家が武士の情けで通したという場面です

義経と弁慶がネリの拍子で舞台入りします

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義経一行が山伏姿に身をやつして密かに北陸路を抜けて奥州へと行く道すがら、安宅の関にさしかかります。
関守の富樫左衛門泰家の検分にあいます。

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関守に義経主従と怪しまれ、疑いを晴らすため、弁慶が東大寺建立の勧進帳を空読みします。

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富樫の家来が、剛力姿をしたもの判官殿によく似たりと進言したため富樫は義経の顔改めをします。

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これに危機を覚えた弁慶が、涙を呑んで義経を未熟者めと強打します。

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数々の疑問はあるものの、山伏一行を義経主従と見破った富樫左衛門尉ですが、武士の情けで通すことに気めます。
山伏先達を武蔵坊弁慶と見破りながらも大法師と呼びかける心遣いに神楽の観衆も惜しみない拍手を送ります。

「彼も武士なら我も武士。ここで、判官殿に縄をかけるのは容易けれど、ここが武士の情けのかけどころ」

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からくも関所を抜けた義経主従ですが、弁慶が主人に手を上げたことを詫びて切腹しようとします。
義経それを押しとどめ涙ながらに諭します。

「屋島の合戦では継信が、吉野の山では忠信が失せて、最早我が身が頼るのは弁慶お主のみ、共に平泉指して参ろうぞ」と

義経物語最高の愁嘆の場面です。

20230503150038IMG_5113.jpg

動画でどうぞ

テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2023.05.12 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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