北下幅神楽「稲荷田大権現」@2023陸中一宮駒形神社春祭
さて本日は、2023年5月2日に行なわれた陸中一宮駒形神社春祭から北下幅神楽で稲荷田大権現です。
北下幅神楽はいわゆる胆沢神楽という系統で、南部神楽の分類とされてはいますが、発祥時は法印神楽の影響を色濃く受けていたものです。
しかしながら、権現舞は山伏神楽のものです。
この経過については、過去ブログにても紹介していますが、この北下幅地区にはもともと稲荷田大権現が伝承されていて、これは北下幅神楽とは別のものした。
この稲荷田大権現は毎年正月二日に地区内を巡幸して春祈祷をしたものです。
春祈祷当日は下の画像にあるように、神官を先頭に道々を祓いながら練り歩き、ご祈祷を所望された家では諸難災厄消除などを祈祷して歩きます。
これは岩手県南部において現在では非常に希少価値のある民俗芸能と言えます。
もともと北下幅神楽と稲荷田大権現は別物でしたが、稲荷田大権現の担い手が減少してきたため、現在は北下幅神楽の構成員が伝承するということになっているようです。
権現舞ではやはり水塩酒を持った者と権現様が対になって舞いますが、この時に神楽唄がかかります。
いくつか紹介します。
〽 ヤーエー 熊野路の おとなし川の水増せば
悪魔を拂い 死病守らせ 死病守らせ ヨーホー
〽 新塩の潮の八百路の八塩津の
塩の八百家に神ぞ在すます 神ぞ在すます
〽 幼子は 生まれ育てし憐れさよ
親にも勝る情けおぞける 情けおぞける
コロナ禍にあって、ここ数年は権現廻しが中止されていましたが、いよいよ来年の正月二日には再開するということです。
折あらばまた追っかけて行きたいと思います。
動画でどうぞ
