上根子神楽「鶏舞」@2023初舞2023
さて本日からは、2023年2月23日に花巻市上根子熊堂に鎮座する熊野神社にて行なわれた上根子神楽初舞に行ってきましたのでそのリポートとなります。
昨年もこの初舞に訪問しましたが、今年は社務所内の広間にぎっしりの満員御礼といったところの観衆が詰めかけていました。
予定では円満寺系神楽3団体による合同の舞初め公演を予定していたが、円万寺神楽に忌みがあったということで、今年は上根子神楽のみの奉納となったそうです。
4年前の合同公演の模様はこちら ⇒ 奏楽~鶏舞@2019円万寺系神楽初舞
円万寺系神楽とは、花巻市西部の旧円満寺を中心とした地域に点在する神楽で、早池峰系とも異にする山伏神楽です。
現在も活動している3団体、円万寺神楽、小瀬川神楽、上根子神楽で、岳神楽でもなく大償神楽でもなく和賀の大乗神楽でもない独特のマチエールを持った神楽は注目すべき点が多々あります。
といったところで上根子神楽の由来について
「明治3年の神楽本が伝承されているので、幕末期よりと言える。
北東北特有の山伏神楽の中でも、岳・大償系・黒森系など他の山伏神楽とは違う流れるような優雅な舞振りを基調とし、法印色の強い円万寺系神楽の特徴を色濃く伝えています。平成15年3月花巻市無形文化財指定。本拠である熊野神社では6月25日の例大祭の他、元旦祭奉納、2月の春祈祷の門付け等を行なっている。」
ということです。
最初に神楽の場に神様を迎え、舞の場を祓い清める御神楽奏上から
上根子神楽では、この前に神社拝殿に安置している権現様の「お祓い」をしてから神楽の場に移してくるという流れになっていました。
さて、鶏舞です。
円万寺系神楽では、扇と錫杖を採って舞います。
式舞などの演目は早池峰神楽と同様なのだがその舞い方や奏楽等が大乗神楽や番楽に近い部分もあって興味深い。
殊に、流れるような舞の所作に特徴がある、私はこれを「空飛ぶ神楽」と呼んでいる。
動画を見るとわかりますが、円万寺系神楽の鶏舞は、秋田番楽の鶏舞と近似値の所作が入っています。
これを本田安次は田子神楽の筋を引くという所見を示していました。
私としては、花巻から青森に行くより山一つ越えた横手地方の番楽が濃い影響を受けた感じがあります。
動画でどうぞ
