米川の水かぶり@2023登米市東和町米川
さて本日は、2023年2月5日に宮城県登米市東和町米川地区で行なわれたから米川の水かぶりを見に行ってきました。
前日雪が少し降ったせいか、日陰には薄っすらと雪が残っていましたが、今日は晴天で穏やかな初午日和でした。
この祭りに訪問するの2012年以来です。
コロナ禍を乗り越えて規模縮小ながら多くの参観者が米川の町に溢れる盛大な祭りとなったようです。
水かぶり衆が最初に参拝する法輪山大慈寺門前には東和町の名産を並べたテントが立ち並び、参観者をもてなします。
この祭りでは水かぶり衆とは別行動で、「ひょっとこ」が鐘をたたきながら「オカメ」が祝儀をもらい歩きます。
これは、この祭りの中にカセ鳥の要素が入っているという証左ではあるまいか。
男たちの藁装束・水掛け・行乞というキーワードでは小正月から立春にかけて東北各地で同様の習俗が見られる。
山形県の上山のカセ鳥、宮城県加美町のカセドリ、岩手県住田町のみずしぎ 等々
また、カセドリに参加する男たちが一定年齢であることも通過儀礼としての祭事を物語っている。
さて、午前10時30分の花火とともに水かぶり衆が水かぶり宿である菅原家を出発し大慈寺へと進んできます。
今年の男衆は祭り規模縮小ながら30人が参加し、思い思いの藁装束で練り歩く。
大慈寺境内にある秋葉山大権現に火伏せの御祈祷をするのが習わし。
この参拝によって男衆自身が火伏せのご神威が授かり、それによって町中の火伏せ祈祷が可能となるということでしょうか。
ご祈祷が済むと町中に繰り出す訳だが、その前にまずは大慈寺に向けて手桶の水を掛けて火伏せの祈祷。
この祭りは、国指定重要無形民族文化財、そしてユネスコ無形文化遺産「来訪神行事:仮面・仮装の神々」にも指定されている。
古くから伝わる火伏せ行事で、毎年2月の初午の日に行われている。
ちなみに来訪神行事とは、仮面や被り物、泥などをまとった「異形の姿」をした者が「来訪神」となり正月などの年の節目となる日に家々を訪れ、怠け者を戒めたり、家や人々に幸せや福をもたらしたりする行事ということ。
大慈寺の秋葉山大権現と諏訪森大慈寺跡に祈願した後、奇声を上げながら町に繰り出し、家々の前に用意された水を屋根にかけ、町中の火伏せをします。
人々は男たちが身につけた「しめなわ」のワラを抜き取り、自家の火伏せのお守りにします。
この様に守り続けられてきた祭りが普通に行われる世の中が永く続くように祈らずにはいられない今日この頃です。
動画でどうぞ
