和賀大乗神楽「三番叟」@2023新春大乗神楽公演
さて本日は、2023年1月8日に行なわれた新春大乗神楽公演から和賀大乗神楽で三番叟です。
その前に、和賀大乗神楽の由来について
「口伝では、約六百年前の正和4年(1315)に慈覚大師の弟子である玉木明介が京都東山の聖護院の門跡として修験を修行し、煤孫に帰郷後に貴徳院を開基。
後に権大僧都満開山円光法師が創始した神楽とされ、「貴徳院法印神楽」とも呼ばれていました。
嘉永元年(1848)に至つて宮城県遠田部湧谷箆岳の箆岳金峰寺(天台修験兼帯)から大乗神楽が伝承され、嘉永2年に南笹間の万法院を会場に大乗会を開催。三年後の嘉永5年には大乗仏教を基にした加持祈祷の舞として「大乗神楽」と改称した。
その後一時中断しますが、慶応年間に佐藤寅次郎が貴徳院に伝承されていた神楽の再興を願い、妻の父である南笹間の八幡神社別当万法院に師事し再興しました。」
とあります。現在の代表者は鈴木俊逸さんです。
三番叟の幕入り歌は
〽 上をみたれば加茂や桂川 下をみたれば濃美川 中をみたれば愛染川とて流れける さればあだのやをさえおさえに大淀小淀
歌の途中から後ずさりに三番叟が出てきます。
大乗神楽でも三番叟は烏帽子に切り顎の黒尉面に裁着袴の出で立ちで舞います。
そして三番叟では大乗神楽に特徴的な所作として「耳かき」がある。
これは、片手の錫杖だけを頭側面でくるくるまわす「片耳かき」と、両手に扇と錫杖を持って両手で頭側面で回す「両耳かき」とがある。
ところで、この三番叟に限らず、大乗神楽の笛は山伏神楽が根底にあることはわかりますが、フレーズの途中から独特の調子に変わります。
この調子が花巻市周辺の円万寺系統と同一で、どちらが影響を与えたかは不明ですが、早池峰系神楽や秋田の番楽とも趣を異にした神楽を創生しようとした心意気が感じられます。
独特のグルーブ感あふれるリズムが憑神的な舞を際立てています。
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