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2022.12.11 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

坂本神楽団「獅子舞」@2022第56回胆沢郷土芸能まつり

さて本日は、2022年10月30日に行なわれた第56回胆沢郷土芸能まつりから坂本神楽団で獅子舞です。

岩手県南4市町、奥州市金ケ崎町北上市西和賀町での広域交流事業という取り組みがあり、その中で民俗芸能も互いに他市町の団体を招聘するということです。
それを受けての今回は西和賀町の神楽団体を招聘したのですが、これが意外な反響を呼び望外の成果を上げたようでした。

その前に、坂本神楽団の由来については「いわて郷土芸能」(平成4年岩手日報社刊)より

「安政六年(一八五九)、高橋右内という神官が、 今の和賀町藤根から喜助という人を招き、村の山伏たち に山伏神楽を教えたのが始まりと伝えられている。三十 六の演目がある山伏神楽のうち坂本神社には十二演目が 受け継がれた。村内だけでなく湯田、県境を接する秋田 までも興行して歩いたが、大正期になって一時廃れかけ た。昭和九年、高橋右内の孫・森弥が坂本青年団への継 承活動に力を注ぎ、再び盛んにさせた。」

ということですが、その後昭和40年代に地元青年会が継承活動を行って、現在は坂本神楽団として続けているということです。



ここで再度「いわて郷土芸能」より

「和賀郡沢内村の中心部から南へ約3km。 前郷地区の県道沿いに坂本神社はある。社殿に並んで建つ立派な神楽殿が佐々木正道さんらの伝承拠点だ。
練習の夜、太鼓のリズムを模した口拍子に交じり、さ えた横笛の音が周囲の水田に響き渡る。 笛の主が佐々木 さん。神楽保存会代表の神官・内記愛治さんに次ぐ若き リーダーだ。
「子供のこ ろ見よう見まね、遊びで 踊ったりしたことはありま したが、本格 的に取り組ん だのは黒沢尻 南高沢内分校 (当時)の生徒 だった昭和四 十年秋のこと でした。各集 落の青年会が 中心になって行っていた演芸会に、同級生ら四人で鳥舞を踊ったんで す。もともと神楽は人気のある演目で、それを若者が やってくれたというのでお年寄りは大喜びしてくれまし たね」。祖先が脈々と伝えてきた郷土の芸能を受け継い だ喜びを、観衆と踊り手が共感できた瞬間だ。」
当時の熱意が伝わってきます。

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下舞です

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坂本神楽の獅子舞は動画を見れば一目瞭然だ。

毛采に魚鱗紋の獅子幕といえば大乗神楽の獅子舞です。
しかるに、こちらでは獅子あやしの道化が付き、しかも道化が獅子をご祈祷に導く役割を担っています。.
これは芸能の伝播を検証する上で大きなキーワードとなります。

20221030144612IMG_0798.jpg

舞台の最後は頭固めを行いましたが、人の善意というものは静かに継承されるもののようです。

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動画でどうぞ

テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2022.12.11 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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