南下幅念仏剣舞「回向念仏・八人くずし」@2022第56回胆沢郷土芸能まつり
さて本日は、2022年10月30日に行なわれた第56回胆沢郷土芸能まつりから南下幅念仏剣舞で回向念仏・八人くずしです。
その前に、南下幅念仏剣舞の由来について
「巻物園鏡傅によると、大同三年、出羽の国 羽黒山峰中権大僧都善光院の法印が荒沢鬼渡大明神の御堂にこもり念佛勤行をしている時、ある夜こつ然と二人の老翁が現れて「衆生済度の近道は舞踊の面白さを知らしめた上に導くことにある」と諭された。それに対し彼の法印は「しからば教えて候らえ」と申し上げたところ、一人は座して歌い囃し、一人は立ちて踊り始めた。伝授し終わると二人の姿は虚空に消えて見えなくなった。とあり、この踊りこそ念仏剣舞の始まりとされている。
以来絶やすことなく保存会を結成し伝承されている。胆沢区内では、八団体の剣舞が指定されているが、他の団体と比し一般的にテンポがゆったりしており、それだけ「力み」があると言われている。」
とありますが、現庭元は高橋哲也さんです。
南下幅念仏剣舞は伝書は失われたものの寛政年3年に文化14年に渡辺甚四郎から卵太郎に伝授され、以降連綿と伝承されてきたということです。源流は衣川の高館物怪といわれ、他の胆沢の念仏剣舞と同じく念仏胴取りとカッカタがつくことが特徴です。
この日の太鼓はツインドラム!
最初に回向の念仏から始まります。
光明遍照十方世界 念仏衆生摂取不捨 発菩提心 往生安楽国
胴取は中学生でした。本来胴取は赤い衣装ですがこの後に太鼓もするので大人と同じく紋付袴姿です。
女子の太鼓打ちは凛々しくて恰好いい。
八人くずしという演目は聞き慣れないのですが、八人怒物を一人で踊るようにアレンジしたものということです。
ところで、この八人くずしでは踊り手が太鼓に足を掛ける場面がありますが、この時太鼓打ちが撥を上に掲げる所作が黒森神楽の山の神舞などでも見られます。黒森神楽では、山の神が刀印を胴取に向って投げつけるように行ない、胴取はこれをバチで受ける。どこかで通底しているのかと考える場面。
踊り手も中学2年生 これからも頑張って続けてほしいと願います。
動画でどうぞ
