早池峰獄流綾内神楽「権現舞」@2022第16回浮牛城まつり
さて本日からは、2022年8月11日に北上市口内町の口内小学校周辺を会場に行なわれた第16回浮牛城まつりについてです。
浮牛城祭りは、口内が江戸時代は伊達藩の領地最北の要害で、5代藩主伊達吉村獅山公が、享保12年(1728)奥郡巡視で、口内に来訪した。その時の様子が 古絵図にあり「獅山様御成の頃浮牛館ト呼玉フ」とあることから浮牛城の故事を再現するイベントということです。第16回目ということですが、コロナ禍で3年ぶりの開催となりました。
大名行列に続いて口内小学校体育館にて三界萬霊供養が綾内神楽の奏楽で行われました。
その後に権現舞です。
早池峰獄流綾内神楽で権現舞です。
綾内神楽の由来について
「綾内神楽は大正四年、当時部落にあまりにも火災が多発し思案の末、昆野金蔵・昆野喜―の発案により、水押神楽佐藤熊ノ助・昆野運吉両氏の指導を受け「しんが<」「下舞」「権現舞」をならったのがはじまりである。その後秋葉請中を作つて以来八十年間一度も欠かす事な<、毎年―月十七日を火防祭として各戸を祈祷して参っている。昭和五十六年には師匠石鳩岡神楽より本格指導を頂き、そして昭和六十年には、奥付書の伝を賜り、現在に至っている。」
とあります。
下舞から
山伏神楽の権現様は、神様が人間の目に見える姿形で現れたということで、神格を持った存在として全ての神楽の最後に舞われるものです。ですので、あらゆる神楽演目は、この権現舞を導くためのものともいえるかもしれません。
二戸地方の山伏神楽では最初に権現舞をする所もありますが、こちらは神楽の前に悪魔祓いと清祓の意味があるようです。
権現舞の利生は、火防祈祷であったり、身体堅固、無病息災、災厄消除などである。
岳神楽の宝暦九年の伝授書にはこうあるという
「権現は伊吹神の御形なり 門戸にて舞う事 家内安全 悪魔降伏 怨敵退散 七難熄滅 七福即生 云々
伊吹の神とは祓戸の神の事であり、人々の犯せる罪穢を残ること無く、身に降りかかる諸々の悪事災難は祓戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く、朝の御霧、夕の御霧を吹き掃らう事の如くに吹き掃らう神々のこと・・・」であり、その神こそ瀬織津姫だとしている。
動画でどうぞ
