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2022.08.30 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

北下幅神楽「権現舞」@2022第47回胆江神楽大会

さて本日は、2022年8月20日に行なわれた第47回胆江神楽大会から北下幅神楽で権現舞です。

その前に北下幅神楽の由来を定本から

「明治初年、千葉源五郎外七人の仲間が、水沢市旧満倉上葉場村、高山稲荷神社の上葉場神楽に弟子入りし神楽を習得した。
 明治二年の修験道廃止により神楽団も解散したため、北下幅村の仲間で北下幅神楽を創設した。
また自ら庭元となり、多くの弟子を養成するとともに、西磐井郡平泉町、達谷神楽、水沢市真城、瀬台野神楽との交流を深め、数多くの演目を習得した。
初代庭元千葉源五郎、二代千田伊四蔵、三代千葉源五郎、四代小野寺彦助、五代千田竹松、六代千葉庄太郎、七代千葉運蔵、現在の庭元千葉源一は八代目である。
 昭和三六年三月、水沢市無形文化財の指定を受けている。
 なお他村に伝授した箇所は、明治二五年佐野神楽、福原神楽、明治三○年鴬沢神楽、明治三五年鵜の木神楽、南部岩崎神楽、大正一○年番匠神楽、大正一四年昆沙門神楽等である。」
とあります。
現在は第11~13代の混成でメンバーを構成していて、現在の代表は千葉新太郎さんです。




北下幅神楽はいわゆる胆沢神楽という系統で、南部神楽の分類とされてはいますが、発祥時は法印神楽の影響を色濃く受けていたものです。

しかしながら、権現舞は山伏神楽のものです。
この経過については、過去ブログにても紹介していますが、この北下幅地区にはもともと稲荷田大権現が伝承されていて、これは北下幅神楽とは別のものした。

この稲荷田大権現は毎年正月二日に地区内を巡幸して春祈祷をしたものです。

春祈祷当日は下の画像にあるように、神官を先頭に道々を祓いながら練り歩き、ご祈祷を所望された家では諸難災厄消除などを祈祷して歩きます。
これは岩手県南部において現在では非常に希少価値のある民俗芸能と言えます。

なので、これら一連の神事芸能について岩手県の無形文化財に指定されるよう働き懸けていきたいと思います。

20220820195008IMG_8071.jpg

さて、北下幅神楽と稲荷田大権現は別物でしたが、稲荷田大権現の担い手が減少してきたため、現在は北下幅神楽の構成員が伝承するということになっているようです。

20220820195100IMG_8073.jpg

権現舞ではやはり水塩酒を持った者と権現様が対になって舞いますが、この時に神楽唄がかかります。
いくつか紹介します。

〽 ヤーエー 熊野路の おとなし川の水増せば
  悪魔を拂い 死病守らせ 死病守らせ ヨーホー

〽 新塩の潮の八百路の八塩津の
   塩の八百家に神ぞ在すます 神ぞ在すます

〽 幼子は 生まれ育てし憐れさよ
  親にも勝る情けおぞける 情けおぞける

20220820195222IMG_8075.jpg

動画でどうぞ


テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2022.08.30 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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