土沢神楽「天熊人五穀」@2022第39回みちのく神楽大会
さて本日は、2022年7月3日に行なわれた第39回みちのく神楽大会から土沢神楽で天熊人五穀です。
土沢神楽は、花巻市東和町の鏑八幡神社に奉斎する山伏神楽で、正式には早池峰大償流土沢神楽と称します。
大償神楽からの伝承とされていますが時期は明確でないものの、弘化年代の神楽道具などから推測されます。
明治の初期からしばらく中断していたが、明治40(1907)年ごろ、大償の師匠・佐々木直八安太郎を招いて復活したといい、石鳩岡神楽とともに「記録作成等の無形の民俗文化財」として国選択指定を受け、岩手県指定の無形文化財でもあります。
舞い方は早池峰神楽の古い型を残しているといわれ、2月11日の舞初めを始めとして、9月の鏑八幡神社の祭礼などに上演されます。
天熊人五穀は山伏神楽では最も人気のある荒舞の一つで、農業にとって大切な五穀の始まりを説く演目となっています。
対になる演目に天照五穀(女五穀)があり、こちらが静の五穀とすれば、天熊人はまさしく荒々しい動の五穀舞といえます。冒頭は天熊人の一人舞で激しい練舞が続きます。
そこへ天太玉命が出て、天熊人に豊葦原の中津国へ行って保食神を訪ねて来いと命じます。
すると保食神と稲荷神が現れて五穀の種を差し出します。
天太玉命に五穀の種を授かった天熊人が五穀の種を蒔いて歩きます。種蒔舞ですね。
保食神から成れる五穀の種を献上し、人の世の今までも五穀の種の尽きること無しと寿ぎ千代の御神楽となります。
最後は面を外してのクズシ舞です。見事です。
動画でどうぞ
