行山流口内鹿踊「礼庭」@2022詩歌文学館賞贈賞式
さて本日は、2022年5月28日に北上市の現代詩歌文学館で行われた、詩歌文学館賞贈賞式オープニングイベントでの行山流口内鹿踊についてです。
詩歌文学館賞とは、詩や短歌俳句の三部門で優れた作品を顕彰するものという。
この手のイベントに民俗芸能を招聘するのは北上市ならではのこと。
そういえば宮沢賢治の五行詩「高原」では鹿踊について謳い上げている
「海だべがと おら おもたれば
やっぱり光る山だたじゃい
ホウ
髪毛 風吹けば
鹿踊りだじゃい」
さて、行山流口内鹿踊の礼庭について
口内鹿踊の伝書によれば
「文化11年(1814)に江刺郡稲瀬村上門岡杉沢屋敷(現 北上市稲瀬町上門岡)の六郎治から、上口内村草刈場の市太郎に伝授」したとあります。その後、一時中断したものの昭和47年から熊谷保等の指導により、昭和51年に免許相伝を受けているということですが、この上門岡鹿踊は相去から伝承した金津流でした。」
ところが、口内は安永二年(1773)に行山流大原山口系から行山流を伝授(東北民俗P81H29.8刊)されている。
鹿頭の後ろに行山の文字が入っています。されど、やはり金津流も混じっているような。
口内は現在では北上市になっていますが、昔は江刺郡福岡村といい現江刺の生活圏にあります。
なので、生活様式や民俗芸能も江刺圏内という解釈になります。
また、このエリアでは「三つ踊り」と称して、鹿踊、剣舞、奴踊りが各集落に伝承されてきた経過があり、地域の紐帯の基となる重要な役割を担ってきました。
三人狂い
伝書によると口内鹿踊に伝承される演目は、一番庭(礼庭)、二番庭(中庭)、三番庭(鉄砲踊り)、女鹿子狂い、案山子、岩崩、露ばみ、中山狂、春駒狂、土佐 となっている。
ところでこの現代詩歌文学館の隣には詩歌の森公園があります。
例年ですと、8月の北上みちのく芸能祭りでは、ここで様々な鹿踊が上演されていました。
コロナ禍で2年ほど中止になっていた芸能祭りも今年は開催されるようですが、この芝生の舞台での鹿踊は実現できるのでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。
動画でどうぞ
