黒森神楽「打ち鳴らし」@2022黒森神楽春祭
さて本日からは、2022年5月29日に黒森神社境内にある神楽殿で行なわれた黒森神楽の神楽祭の様子についてリポートしていきます。
岩手県宮古市市街地の北部に聳える黒森山の中腹に鎮座する黒森神社が今日の舞台。
この社は、古くは黒森権現社と称して宮古地域の篤心を集め、特にも境内後背山中に屹立する祖父祖母杉は藩政時代も沖の漁師の目印となるため、寄進参拝が絶えなかったという。
黒森神社の経緯について岩手県神社庁HPから
垂仁帝の皇子、是津親王の勅勘によりこの地に左遷されたという。今按ずるに、垂仁帝の御代、景行天皇の皇子の是津親王ならん。幾春秋経るも帰洛の勅許なく憤烈に堪えず、その年の6月14日納涼の折、岩山より身を海底に投じるという。この日帝都より勅許の勅使この地に至れりと古伝にあり、土人等尊骸を探し得て、その霊柩を黒森山上の約50坪余りの小立の古木四面の鬱蒼たる処に葬送し標石を立て祀る。
その後、田村麻呂将軍が夷賊討伐の折、この地に来たり土人に問尋し敬拝不浅。而してこの地に新たに神殿を創立し黒森山大権現と尊称さる。
建久元年(1190)6月14日再建の棟札、また南部家応安3年(1370)造営の棟札等があり、以来連綿として旧領主南部家の代拝を受け、上閉伊・下閉伊の尊崇を専ら受ける。
さて、黒森神楽独自の神楽上演とあって、今日はどれくらいの人が集まるか未知数でしたが、神楽開始の午後1時には満席を越えて立ち見ができるほどの盛況でした。
この日、最初に出されたのは「打ち鳴らし」で、これは別称「能立て」「座揃い」とも言い、神楽のはじめの儀式で、全員が幕を張った舞場に向かい神座を設けて神を招く神降ろしの歌を歌いながら神楽をはじめる意味合いがあります。
動画でどうぞ
