本吉法印神楽「空所」@2022釣石神社春祭奉祝祭
さて本日は、2022年5月4日に行なわれた釣石神社春祭奉祝祭から本吉法印神楽で空所です。
この日のプログラムにはなかったが、観客が大勢いたことや、時間に余裕があったため急遽追加されたものです。
法印神楽の上演会などでもあまり演じれることがなく、非常に珍しい神楽通が好む地舞を中心とした演目です。
空所は空照とも称して、天神化生で天と地が初めて分かれた時に高天原に出現した天之御中主神の舞とされている。
尚、同様の地舞の曲「普照」は地神化生で国之常立神の舞としている。
序盤はネリ舞にて巻鉾などの扇使いの緩やかな所作が美しい。
神議は現在は無しとしているが、気仙沼神楽本には次の記述がある
「片そきの 千木の内外にかわれとも
誓いは同じ 伊勢の神垣
神風や 山田の原の見しめ縄
なかきをかけて すめる水かき
天地に 二つ御玉のあらわれて
人をたすくる 誓いたのもし
八重垣や 山田の原の 榊葉に
心の注連を 掛けぬ日ぞ無き
橘の 小戸の祓除を始めにて
今も清むる 吾身なりけり」
佳境に入ると二本の太刀を使っての「二環刀」が入る。
二環刀とは、「四方にて両刀を巻振事、たまきの如くす、よって二鐶たまき刀といふ」ということのようです。
尚、二環刀拍子諷の一節は次の如し
「波立った波立った 折懸けて波立った
荒磯の波の 打つが如く罪咎を
祓い除け断ち除け いさ清く成玉へ」
動画でどうぞ
