鶯沢神楽「翁舞」@2022平泉熊野三社奉納公演
さて本日は、2022年5月3日に行なわれた平泉熊野三社奉納公演から鶯沢神楽で翁舞です。
その前に、鶯沢神楽の由来について定本より
「明治初年、玉井豊之助、小野寺久五郎の両人が世話人となり、岩手県西磐井郡萩荘村達古袋神楽の師匠を招き、神楽の伝授を受け日向神楽を創設した。
戦前、戦後舞方が少なくなり中断していたが昭和三九年、町教育委員会が郷土芸能後継者養成講習会を開催した。講師は小野寺捨男、小野寺東策の両師匠の指導であった。
これを機に鴬沢神楽保存会を組織し現在に至る。
なお、明治一八年、二○年の二回にわたり、伊勢神宮に神楽を奉納したという。
また、大正年間、田谷神楽(江刺市愛宕)の指導をしたともいわれている。
初代庭元玉井豊之助、現在の庭元岸湊は六代目である。」
ということなそうです。現在の代表者は高橋長人さんです。
南部神楽での翁舞は、神楽の初めに神降ろしと神楽座の場を浄める舞として位置づけられている。
また、八百万の神を招き入れ、民族の平和と繁栄を祝福し、万民の平和と健康を祈り、神事や祈祷をする舞といわれている。
舞の内容は山伏神楽の翁舞を踏襲しているようです。所作は南部神楽としてのものになっています。
翁の言い立ては
〽 さて 天竺は萬代を生きる亀 甲羅に千歳さんとの星の山を頂いて 万刧をふるとかや
さて 我が朝の鶴 千万歳をうとうて この所に参り萬のお祝い申さんと
百歳は臼歯 二百歳は年のさかりとなり
黒髪は白髪となり 真白髪は老楽となる 老楽はきにかえるとかや
春咲きそめし花の色 秋は実りて冬までも実は落ちず
かの光つる諸神聖は七世の孫に 逢うたるためいの目出度さよ
長寿を願う祝詞を述べて 後は早拍子の崩し舞にて舞納めます
尚、この日の神楽プログラムは熊野三社の宮司の所望で最初に南部神楽の式三番(鶏舞、翁舞、三番叟)を奉納してから劇舞を上演するということなそうです。
私的にも神社で奉納する場合はこの形式で行っていただくと良いと思いました。
動画でどうぞ
