滑田鬼剣舞「回向念仏・三人加護」@2022東日本大震災追悼供養
今日は2011年3月11日に発生した、東日本大震災から11年目になる日でした。
天災は忘れた頃にやってくるといいますが、まさに喉元過ぎれば熱さを忘れるです。
あの日起こったことは鮮明に記憶にありますし、忘れることはできません。
追悼供養するのは生き残った輩の責務であるとともに、それをなすことでそれぞれが背負う悲しみや呵責を埋めることになろうか。
そういう意味も込めて、念仏によって供養する芸能、念仏剣舞が追悼供養をするというので北上の滑田鬼剣舞さんを訪ねた。
滑田鬼剣舞の本拠地である中通り公民館にて供養の場を設え、会員一同が東の海の方角を向いて念仏供養から
〽 光明遍照十方世界 念仏衆生摂取不捨
至心塌命阿弥陀 阿字十方三千仏
弥字一切諸菩薩 陀字八幡諸聖教 皆是阿弥陀
この庭で鐘と太鼓の音がすれば 死出の亡者も浮かびくる 南無阿弥陀仏
願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国
回向念仏に続いて三人加護ですが、その前に滑田鬼剣舞さんの由来について
「明治31年に地区民の総意により部落活性化を図る目的をもって、和賀郡岩崎村に伝わる岩崎念仏剣舞に教えを請い、稽古に励みこの年を発創の年と定める。
明治34年に18演目を修得し、巻軸三巻の伝授を受け、滑田鬼剣舞として発足し、供養碑建立する。
その後、飯豊・谷地・村崎野・二子などの弟子剣舞を育て、普及・伝承に貢献している。装束や演目は岩崎鬼剣舞とほぼ同じだが、滑田独自の「狐剣舞」がある。狐面をつける一人舞で、急病で踊り手が一人欠けた時、稲荷大明神の化身の狐が代わって補い、無事に奉納を終えたという伝説がある。神秘的な妖気をはらみ、扇の舞・太刀の舞をし、その後急テンポとなり、素手の舞から激しい跳躍となって終わる。足に独特な所作があり、神楽拍子で踊られる。
平成5年に国の重要無形民俗文化財の指定を受ける。」
とあります。岩崎とともに北上の鬼剣舞の二大源流の雄として儀礼的な伝承も大切にしているということでした。
様々な災厄を祓う意義もある三人加護。
最初の笛の調子が流れただけで背筋がシャンとしますね。滑田独自の最高の祈祷舞。
拍子が変わって白面が幣束を両手に持って神楽を舞うような型で踊る。
最後に幣束を天に投げて舞納める。
この幣束投げは本来は家の軒に飛ばして刺すのだそうです。神楽の山ノ神の幣束飛ばしと同じ呪的要素があると思います。
動画でどうぞ
