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2021.11.17 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

富沢神楽「那須与一扇の的」@2021金成延年閣公演

さて本日は、2021年11月7日に行なわれた金成延年閣公演から富沢神楽で那須与一扇の的です。

その前に富沢神楽の由来については定本から

「明治二○年頃、蕎麦沢の佐藤林之丞が庭元となり、西磐井郡金沢村飯倉神楽の小野寺忠七師匠(飯倉から真滝小林に婿養子に来た人)を招き、部落の若者達に神楽の指導を行ない富沢神楽を創設した。
明治時代、初期の人達が二期、三期と舞人の養成を図ったが大正初期に絶えた。
昭和三年、佐藤民治が発起人となり佐藤甚之助が庭元となり、飯倉神楽より高橋衛師匠を招き佐藤民治と共に神楽の指導を行ない、富沢神楽を再興した。
初代庭元佐藤林之丞、二代三代佐藤甚之助、四代佐藤利男、五代千葉清人、六代佐藤登である。」

とありますが、現代の代表者は佐藤徹さんです。



さて、演目の扇の的は屋島合戦での那須与一の活躍を描いた場面です。

寿永4年(1185年)2月、讃岐屋島へ逃れた平家を追って、義経は海路阿波に上陸、陸路屋島に迫り、背後から平家を急襲した。
驚いた平家軍は、船に乗って海へ逃げたが、源氏軍が案外少数と知って応戦し激しい攻防が繰り返された。

日が暮れて両軍が兵を引きかけている時、沖の平家軍から年若い美女を乗せた小舟が一艘漕ぎ寄せてきた。
美女は、日の丸が描かれた扇を竿の先にはさんで船べりに立て、陸の源氏に向かって手招きをしている。

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〽 これを射落とす者は誰かよ  と義経

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それに応じた義経の家臣後藤兵衛実基が那須与一宗高を推挙し義経の前に呼び出します。

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義経は那須与一に扇の的を射て平家武者に見せつけよと命じます。

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那須与一は、折からの強風と波立つ海を前にして弓を射ることをためらいます。

〽 船は木の葉の舞う如し

しかしながら、後にひくこともできないため、八幡大菩薩と故郷の日光権現那須の大明神に願をかけます。

〽 波よ静まれ 風よ凪げ 世の神々よ助けたまえと祈るなり

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すると、神のご加護か風おさまり、波静かになる

〽 東より四国屋島のもとに来て 扇の的に会うぞうれしや

「南無八幡」と心に念じた与一が渾身の力で鏑矢を放つと、見事に扇の要近くに命中した。

この奇跡的な弓技に驚嘆したのは源氏の兵ばかりではなかった。
平曲では船上にあった平家軍も船襟を叩いて感嘆したということです。

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見事主君の使命を果たしたと、千代の御神楽で舞納めます。

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動画でどうぞ


テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2021.11.17 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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