幸田神楽「権現舞」@2021嶋の堂観音奉納
さて本日は、2021年9月5日に行なわれた幸田神楽の嶋の堂観音奉納から最後の演目、権現舞です。
その前に幸田神楽の由来について
「幸田神楽は幸田地区に鎮座する八雲神社の奉納神楽である。「幸田神楽本」によれば、その由来について藤原秀衛の三男泉三郎忠衡は、平泉藤原氏滅亡の際落ち延びられ、此の地に隠れ住まわれた。 矢沢地域の灌漑用水を確保するために幸田川を塞ぎ止めて、溜池を築く工事をはじめたのであるが思うように工事が進まず思案の末、忠衡公が信仰している、祇園牛頭天王(八雲神社の祭神)を祀りて工事の無事完成を祈って神楽を奉納した。
また昔、幸田川には上と下に二つの大きな沼がありこの沼には、それぞれ、主(化け物)が住んでいた。この沼を埋め、田を作り堤を作った為に、主達は住みかを失い、その怒りを鎮めるために、堤の西北(乾)方に神楽場を定め神楽を奉納したところ、主達の怒りが鎮まり平和が戻ったといわれ、それ以来毎年神楽場で神楽を奉納したとあり、古い時代からこの地に神楽が存在していることを語っている。その後、天保年間に早池峰岳神楽を習得して現在に至る」ということです。
さて、権現舞。
山伏神楽の権現様は、神様が人間の目に見える姿形で現れたということで、神格を持った存在として全ての神楽の最後に舞われるものです。ですので、あらゆる神楽演目は、この権現舞を導くためのものともいえるかもしれません。
権現舞の利生は、火防祈祷であったり、身体堅固、無病息災、災厄消除などである。
身体堅固の嬰児です。
岳神楽の宝暦九年の伝授書にはこうあるという
「権現は伊吹神の御形なり 門戸にて舞う事 家内安全 悪魔降伏 怨敵退散 七難熄滅 七福即生 云々
伊吹の神とは祓戸の神の事であり、人々の犯せる罪穢を残ること無く、身に降りかかる諸々の悪事災難は祓戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く、朝の御霧、夕の御霧を吹き掃らう事の如くに吹き掃らう神々のこと・・・」であり、その神こそ瀬織津姫だとしている。
正に権現様の姿をかりた早池峰山の神が諸災厄を打ち祓う祈祷舞といえる。
以上、南日詰の嶋の堂観音神楽奉納についてでしたが、こういった風景は様々な工夫と努力があっての賜物と思います。
ただただ感謝しかありませんね。
動画でどうぞ
