大出早池峰神楽「舞台浄め・鶏舞」@2021大出早池峰神社大祭宵宮
さて本日からは、2021年7月17日に行なわれた大出早池峰神社大祭宵宮での大出早池峰神楽の奉納の様子についてリポートしていきます。
この日の宵宮は、本来であれば本殿前の割拝殿にて夜神楽が奉納され、沢山の見物客で賑わうのが通例でした。
しかしながら、このコロナ禍で告知無しで隣接する交流センターでの神楽奉納となったようです。
とはいえ、権現舞含めて九番の神楽を奉納していただいたのは眼福でした。
この日の番組は、鶏舞、翁、山の神、三番叟、八幡、鞍馬、岩戸開き、天降り、権現舞でしたので、順次掲載していきます。
また、大出早池峰神楽について「遠野郷附馬牛大出神楽」「遠野の郷土芸能(上巻)」を参考に書いてみたいと思います。
大出早池峰神楽は伝承が古く、早池峰山麓の附馬牛町大出にある妙泉寺の鎮守社である新山宮に大同年間から神楽が行われていたとも言われています。
また、明治10年に一生を妙泉寺の寺男として過ごして90歳で亡くなった佐々木萬蔵が「神楽は法印が京都から伝えたもので、出羽三山に伝わった当時に大出にも伝わった」と記しています。
大出神楽を中心としたものを神人神楽と称し、他の遠野郷の里山伏が伝えたものを山伏神楽と呼んで分けているが、これは長い変遷の中で本山派と当山派の競い合いから生じてきたものとも言われています。
かつては表裏式舞とその他の舞、狂言など55番以上もあったが、現在は32番を伝承するということのようです。
神楽を始める前に、舞台浄めがありました。
太鼓笛鉦の奏楽の中で一人の神楽人が権現様の前に供えられた塩で持って舞台の四方を浄める儀礼です。
それが済むと続いて鶏舞です。
幕出し唄は 〽 御神楽は、岩戸の前の神遊び 天照る神は 光さしける
鶏舞は御神楽ともされ、式六番の最初の舞とされている。
いざなぎ、いざなみの舞であり、陰陽(雌雄)の結びによって全ての物は生まれ出づる。
としている。
〽 御神楽は 岩戸の前の神遊び
天照る神は 光さしける ハイオモシロシ
最後はぬき足となって舞納めます
〽 ヨウホエエ いずれの神は 姿なるもの 姿なるもの オモシロエ
動画でどうぞ
