平倉神楽「龍殿」@2021遠野市日出神社例大祭
さて本日は、2021年6月20日に行なわれた遠野市日出神社例大祭から平倉神楽で龍殿です。
昨日のブログで掲載した日出神社例大祭の続きですが、日出神社例大祭では氏子集落の若手歳男が神輿を担ぐのが伝統となっているそうで、今年も42厄年の男たちが上郷集落を巡行したということです。
これも集落の通過儀礼ととれます。
この日、神事に招かれた地元の中学校の校長先生が、神輿を担いだ若者たちと恩師教え子の20年ぶりの対面となって懐かしい言葉のやり取りもありました。これも祭の重要な要素のひとつです。
そして、拝殿内では神事が始まり、日出神社の権現様を戴いて衆生の安寧を祈ります。
神事が終わり、12時30分ごろより神楽の奉納が始まりました。
御奉仕するのは地元の平倉神楽です。
平倉神楽の由来については「遠野の民俗芸能」等より
「明治34年旧宮守村塚沢の塚沢神楽から二代にわたって指導を受け、その時、神楽幕及び権現様をいただいている。
戦時中に中断していたが、昭和30年頃からは神社での神事のみ行った。昭和60年ごろに小学生のシンガクを復活させ八幡宮例祭等に参加するようになった。
平成12年から岳神楽の直系である石鳩岡神楽から一ノ倉保氏を招いて指導を得、本格的な幕神楽の練習を開始して今に至る。」
とあります。
この舞は、本田安次によれば平安朝後期の記録によれば修生会の記録の中に「龍天・毘沙門・鬼」という記述が見られ、当時の方呪師がこれを執り行っていたという。
その流れを受けて修験山伏が加持祈祷の中でこの舞を意義付けたということも推量されるであろう。
ともあれ、山伏神楽においての龍殿は法印神楽の両天と同じ意味合いを持っているものの、その期待されるご利益(?)の違いから舞われる形式は異なる。しかしながら、共に四方の邪気を祓う舞として重要な位置づけをされている舞である。
もっとも山伏神楽では、二人舞のアクロバティックな所作を含むもので、観客の趣向に寄り添う内容ともなっている。
動画でどうぞ
