和賀大乗神楽「大乗の下」@2021第20回慶昌寺公演
さて本日は、2021年3月28日に行なわれた和賀大乗神楽の第20回慶昌寺公演から大乗の下です。
大乗の下とは、加茂の大明神で、本地は難勝佛に比定されている。
神降ろしや神上げの際に舞う儀礼的な舞で、神楽座の場を清めつつ無事に神楽が納めることを祈願する舞です。
大乗の下は、大乗神楽二十二番目の演目で、鳥兜に直面で錫杖と扇を採って舞う。庭静の国入りのない御神楽で、四方を踏む舞とされていて舞台を清める舞ということなそうです。
さて大乗の下とは、如何なる演目なのかと考えてみます。
ここ慶昌寺で神楽を演じている場は、仏壇の前で天井には天蓋が下げられています。これを大乗妙典あるいは大乗妙雲と称する。
大乗の下で神楽を修することを始めるという意味もあるのか。
このことについて、菅江真澄の鄙廼一曲に「陸奥の國膽澤の郡神楽唄」には次の記述があります。
「優婆塞の神楽也。こは皆羽黒派の山伏集まりて舞う。重き神楽を大嘗という。きぬがさの下に在りて補任を開くなど、そのゆえことごとし。いづらもかぐらの庭にまづ八雲たつの神歌をうたい、しかるのちに唄うことなり」
また、明治五年までの神楽資料には「大乗遊」とあった演目が、明治八年以降は大乗の下となったという。
ちなみに、和賀大乗神楽の大乗の下の神歌の一節には
〽 大乗ノ 四ツノ隅ナルマスガネ 変ラデ見セヨ元ノ姿ニ
また、仙台市の大崎八幡宮神楽には大浄上というのがあり、その神歌の一節は
〽 大浄は 四つの角なる増かがみ かはらて見せよ 本のすかたを
この相似形の意味するところは、大乗の下の演目の本質を表していないか
動画でどうぞ
