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2021.03.06 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ田植踊り

上幅庭田植踊「入り込み、朝はか 他」@2021第1回.奥州市郷土芸能祭

さて本日は、2月28日に前沢ふれあいセンターで開催された第1回.奥州市郷土芸能祭から上幅庭田植踊です。

由来について水沢市教育委員会篇「無形文化財保存記録集 2 」から抜粋

松本市治氏からの間き取りによれば、「語り伝えでは、今から七三〇年前(弘長二年)この庭田植踊を掃部長者に見せたところが、ここの『田植つこ』は他所の田植っこと違って、「めでためでた」で踊って入って来るのが大変良いということで、一番の折紙をつけられ、それを誇りにして今迄踊り伝え、継承されてきたということです。ただ、どこから入ってきて、誰が始めたかなどということはわからない。高山掃部長者は、何せここの地元だから、それにくっ付けてるんでしょう」ということで、伝書、文書類は一切残っていない。
ということです。

伝承は昭和16年に男性だけの踊組が一度絶えて、昭和31年に上幅の女性たちが松本初太郎氏と渡辺勝治郎氏の指導で復活し、その後しばらく続いたが平成18年から3年の間途絶えた。
そして、平成21年に現代表の松本寛章さんが20~30代の同級生ら十数人に参加を呼び掛け、再度復活させたということです。

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この日の演目は、朝はか、ひるしひき、つんばくら、米搗き、お蔵納め、中入(苗ならし)、入れ違い、鎌倉、夕暮れでしたが、他に門付けで庭入りする時に門口での寄せ囃、おかんざき等があり、他の胆沢の田植踊組と同様のものがある。

田植踊の進行役は杁摺と弥十郎の二人

杁摺の口上に従って弥十郎が次の踊りの曲目を知らせる

杁摺   〽 植えてくれまいかや弥十郎
弥十郎 〽 朝はかソーリャー

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踊り手 羯鼓(太鼓)

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踊り手 奴

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そして、演目がお蔵納めまで終わると中入になる。

近年では他の田植踊組ではこの余興的な中入りを省略していますが、上幅庭田植踊ではこの需要な中入りもしっかりと取り組んでいます。

まずは口上から

〽 トザイ東西 東西と言いまして 
  皆様方のお声を留めまするのもお恥ずかしながら
  一寸おしくみなされまし
  サーテ四海波静かにて国も治まる御代とかや
  弓は袋に刀は鞘に納まるとか
  千秋千代なるのかみの御政をただしければ
  浜に下りて真砂の数
  山に登りて木の数草の数
  もったいなくも天にのぼりて星の数
  数々はござりますれども
  此れより田舎の若者を四五人取り集めましておどけ狂言をあいつとめまする
  おどけ狂言芸題の儀は舞漫才、手踊くらいのものをご評判に相かけ申しまする
  舞漫才も首尾よくゆけばお慰み
  悪しきところは袖や袂に包入れよき
  よしの御評判一重に御願いあげたーてまつる

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余興としては数種類の萬歳等があるが、最初に「苗代ならし」が行われる。
田作業のまねごとで、苗代ならしから種蒔まで演じられ、農夫の女房が出て産気づいて退場までとなる。
豊作の予祝芸能として演じられている。
正月過ぎに家ごとに舞い込んで田植踊をする意味は、その年の豊年満作を願うことであり、神様によってそれを約束することを願うことである。

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その後に手踊り、これは胆沢地方に広く伝播するザッツァカ踊りの組踊で、往時だれば誰でも踊れたもんだす。

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動画でどうぞ


テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2021.03.06 |

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Author:祭りの追っかけ
祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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